搬送困難事例 第7波で最多 体制維持に危機感 大阪 堺市消防局

新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、大阪 堺市の消防局では、救急患者の受け入れ先がすぐに決まらない「搬送困難事例」の数が第7波で最も多くなる一方、感染して出勤できない職員が相次いでいて、救急搬送の体制は厳しい状況となっています。

堺市消防局では、患者の搬送先が決まるまでに病院への照会が4回以上あったケースなど、「搬送困難事例」が今月7日までの1週間に120件あり、第7波で最も多くなりました。

9日も救急車の要請は相次いでいて、午前10時半ごろには25台ある救急車の多くが出払ってしまい、予備の4台も出動させて対応に当たっていました。

感染拡大に伴い、救急車の出動件数も急増していて先月は6782件と、前の月の1.3倍に増えています。

また、一日当たりの件数も、先月25日は276回とこれまでで最も多くなりました。

堺市消防局によりますと、自宅療養する新型コロナの患者に加え、熱中症による搬送も増えていて、連日、予備の救急車を活用して対応に当たっているということです。

一方、職員やその家族が新型コロナに感染して出勤できないケースも相次いでいて、救急救命士の資格を持った事務職員や、定年退職した職員にも呼びかけて、人員を補っています。

堺市消防局の堀英治救急課長は「今月も救急車の出動件数は増えていて、搬送に時間がかかるケースがいま以上に増えると、救急隊を維持することが難しくなる」と危機感を強めていました。