台湾軍 南部の海岸で射撃演習 中国軍上陸部隊をせん滅する想定

中国軍が台湾周辺で大規模な軍事演習を行う中、台湾軍は9日、南部の海岸で敵の上陸を阻止するための射撃演習を行いました。

演習は、台湾本島の南端に近い屏東県の台湾海峡に面する海岸で、侵攻してきた中国軍の上陸部隊をせん滅するという想定で1時間余り行われました。

海岸に38門の155ミリりゅう弾砲を配置し、夜間に敵の姿を照らし出す照明弾を放ったのに続き、空中でさく裂し破片を広範囲にまき散らして敵に損害を与える砲弾と、敵の艦艇に直接命中させる砲弾、合わせて114発を発射しました。

9日の台湾軍の演習は実施の予定が先月、関係機関に知らされていた定例のものです。

しかし、アメリカのペロシ下院議長の台湾訪問に反発した中国軍が今月4日から大規模な軍事演習を行う一方、その際に設定された演習区域の1つと近接した海域で9日の演習が行われたため、中台の緊張の激化を映しているとしてにわかに注目されました。

演習を行った台湾陸軍第八軍団指揮部の楼偉傑主任は、報道陣に対し、「ふるさとを守るのが軍の責任であり、どんな情勢でも絶えず訓練を続け、実力を積み重ねる」と述べました。

台湾軍は同じ演習を11日にも行う予定です。

中国軍 9日も軍事演習継続

中国軍で東シナ海を管轄する東部戦区は9日も、台湾周辺の海域と空域で軍事演習を実施していると発表しました。

9日の演習は、台湾を封鎖することなどに重点が置かれているとされ、複数の戦闘機などを出動させたり空中で給油を行ったりする演習の映像が公開されました。

中国軍は、アメリカのペロシ下院議長の台湾訪問を受けて、当初、7日までの日程で演習を行うと発表していましたが8日に続き、9日も台湾周辺での演習を継続し、台湾への軍事的な圧力を常態化させるねらいがあるとみられます。

中国軍16機 中間線越え

台湾国防部の発表によりますと、日本時間の9日午後6時までに、中国軍の航空機延べ45機と艦艇延べ10隻が台湾海峡周辺で活動したのを確認したということです。

航空機のうち延べ16機の戦闘機が台湾海峡の「中間線」を越えて台湾側の空域に入ったということです。