新築住宅の太陽光発電設備 ”義務化へ条例改正を”都の審議会

東京都が検討を進める新築住宅の太陽光発電設備の設置義務化について、都の有識者でつくる審議会は「住宅を新築する機会を捉え、高い水準への誘導を促す制度を新たに構築すべきだ」として義務化に向けて条例改正を進めるべきとする意見を取りまとめました。

都は、家庭からの温室効果ガスの排出量の削減に向け、新築される一般住宅にも太陽光発電設備の設置を義務づける方向で検討を進めています。

都の有識者でつくる審議会はこれまでに9回会合を開いて、温室効果ガスの排出量削減の実現に向けた条例改正の在り方について議論を重ねてきました。

そして8日、オンラインで最終となる10回目の会合が開かれ、審議会は「住宅を新築する機会を捉え、省エネ化、再エネ設備の整備などを標準化するとともに、より高い水準への誘導を促す制度を新たに構築すべきだ」などとして、義務化に向けて条例改正を進めるべきとする意見を取りまとめました。

都は今後、住宅メーカーなどの意見を聞きながら支援策を検討したうえで、来月上旬ごろ、条例改正に向けた基本方針を取りまとめることにしています。

東京都の制度案

東京都は新築住宅の太陽光発電設備の設置義務化に向けた制度案を取りまとめています。

それによりますと、義務づけの対象となるのは、延べ床面積の合計で年間2万平方メートル以上の住宅やビルを都内で供給する住宅メーカーなどの事業者で、およそ50社が対象となる見込みだということです。

対象の事業者には、1年間に新築した住宅の数や、日当たりなどの条件で太陽光発電に適しているか地域ごとに示された係数、1棟当たり2キロワットとする基準量をもとに必要な発電容量を算出して、どの程度達成したか、都に報告することが義務づけられます。

一方、屋根面積が20平方メートル未満の建物については発電容量を算出する対象外となります。

また、日当たりが悪い場所などについては、太陽光発電設備以外の地中熱を利用した再生可能エネルギーの設備で代替することも可能としています。

制度の経緯 今後の対応策

この制度は、去年9月の都議会で小池知事が「都の環境政策を新たなステージに押し上げる」として、温室効果ガスの排出量を2030年までに半減させる「カーボンハーフ」に向けた取り組みの一つとして明らかにしました。

このあと都は去年10月、専門家による審議会を立ち上げ、現在は床面積が2000平方メートル以上の大規模施設を対象に太陽光発電設備の利用検討義務などが定められている条例について、対象に住宅も含めてさらに設置を促進するための条例改正の検討を進めてきました。

ことし5月から6月にかけて、都民に対してパブリックコメントを募ったところ、3700件余りの意見が集まり、このうち、賛成は56%、反対は41%でした。

賛成する人からは「電気料金が値上がりする中、メリットがある」とか「脱炭素や太陽光の義務化は世界的な流れだ」といった意見が寄せられました。

一方、反対する人からは「維持管理や廃棄など、将来的な負担が分からない」とか「住宅の購入費用への上乗せとなり、負担が大きい」といったこれまでよりも負担が増えるのではないかと不安の声が寄せられました。

都によりますと、住宅メーカーなどの事業者からも住宅価格が上がるおそれがあるとして懸念する意見が上がっているということです。

都は今後、事業者から意見を聞きながら、設置費用の補助の拡大や、維持・管理の費用に関する相談窓口の設置など、対応策を検討することにしています。