ロシア 掌握地域で支配の既成事実化進める ウクライナは反発

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアのプーチン政権は、掌握したと主張する地域に政権幹部を派遣し、現地を視察させたほか、ロシアのパスポートの利用を拡大させるなど支配の既成事実化を進め、ウクライナ側は反発しています。

ロシア国防省は6日、ウクライナの東部ドネツク州や南部ヘルソン州でウクライナ軍の拠点などを砲撃したほか、東部ドニプロペトロウシク州では外国人部隊の拠点をミサイルで攻撃し、80人以上を殺害したと発表しました。

ドネツク州のキリレンコ知事は6日、SNSにメッセージを投稿し、州内で5人が死亡、14人がけがをしたと述べました。

こうした中、ロシアのプーチン政権は、掌握したと主張するウクライナの東部や南部で支配の既成事実化を進めています。

5日には、都市開発などを担当するフスヌリン副首相が激しい戦闘で街のほとんどが破壊されたウクライナ東部のマリウポリを訪れ、建設現場などを視察する動画が公開されました。

親ロシア派勢力によりますと、フスヌリン副首相は今後、インフラ施設の復旧に関与していく方針を改めて示したということです。

またロシアが掌握したと主張する地域では、ロシアのパスポートの利用を急速に拡大させる動きがみられ、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」によりますと、南部のヘルソン州や南東部のザポリージャ州で携帯電話を契約する際などにロシアのパスポートの提示が求められるようになっているということです。

「戦争研究所」はロシア側のねらいとして、住民にロシアのパスポートを取得させるとともに、反発する住民を監視しようとしていると指摘し、ウクライナ側はこうした動きに反発を強めています。