【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(8月7日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる7日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ザポリージャ原子力発電所近くで砲撃 IAEAが声明

ウクライナ南東部のザポリージャ原子力発電所近くで砲撃があったことについて、IAEA=国際原子力機関は6日、声明を発表しました。

それによりますと砲撃により▽発電所の外部への電力供給システムが損傷を受けたこと、▽稼働している3つの原子炉のうち1基で緊急保護システムが作動し、送電系統から切り離されたとウクライナ側から連絡を受けたとしています。一方、▽原子炉の損傷や放射性物質の漏えいはなく、負傷者もいないとの報告を受けているとしています。

グロッシ事務局長は、IAEAの専門家の分析として限られた情報に基づけば現在の原発は安定しているとみられていて、ただちに脅威がある状況ではないとしつつ、自身の声明で「ザポリージャ原子力発電所の安全を危険にさらす軍事行動は、まったく容認できず、避けるべきだ」と懸念を示しています。

ザポリージャ原発は6基の原子炉があり、出力は600万キロワットと、ヨーロッパでも最大規模です。ロシア軍の攻撃を受けて掌握され、現在、軍の支配下にあります。

今回の砲撃はウクライナ側とロシア側、双方が相手による攻撃だと非難の応酬となっています。

ゼレンスキー大統領「ロシア軍は技術で劣り 無差別に砲撃」

ウクライナのゼレンスキー大統領は6日に公開した新たな動画で「ロシア軍はウクライナ軍と比べて技術で劣っている」と指摘しました。
そして「ロシア軍は火砲と無差別砲撃に頼り、目の前にあるすべてを破壊して廃虚にしようとしている」と非難しました。
またアメリカが高機動ロケット砲システム=ハイマースに使われるロケット弾など追加の軍事支援を決めたことに謝意を示したうえで「わが国の防衛戦略のために、可能なかぎり的確かつ有益に使用する。われわれはさらに効果的で現代的な武器を手に入れるために全力を尽くす」と述べ、抵抗姿勢を強調しました。

ウクライナ軍 “ドネツク州複数都市でロシア軍の攻撃退けた”

ウクライナ軍の参謀本部は6日、SNSに投稿し、ウクライナ東部ドネツク州の複数の都市でロシア軍の攻撃を退けたと明らかにしました。
具体的には、ドネツク州でウクライナ軍が拠点としているスロビャンシクやバフムト、それにアウディーイウカなどで、激しい砲撃を受けたものの、ロシア軍に多くの損失を与え、退けたと指摘し、抵抗姿勢を強調しました。

ロシア国防省 ドネツク州などでウクライナ軍拠点を砲撃と発表

ロシア国防省は6日、ウクライナの東部ドネツク州や南部ヘルソン州でウクライナ軍の拠点などを砲撃したほか、東部ドニプロペトロウシク州では外国人部隊の拠点をミサイルで攻撃し、80人以上を殺害したと発表しました。
ドネツク州のキリレンコ知事は6日、SNSにメッセージを投稿し、州内で5人が死亡、14人がけがをしたと述べました。

ロシア フスヌリン副首相 建設現場などを視察する動画を公開

ロシアのプーチン政権は、掌握したと主張するウクライナの東部や南部で支配の既成事実化を進めています。
5日には都市開発などを担当するフスヌリン副首相が激しい戦闘で街のほとんどが破壊されたウクライナ東部のマリウポリを訪れ、建設現場などを視察する動画が公開されました。
親ロシア派勢力によりますと、フスヌリン副首相は今後、インフラ施設の復旧に関与していく方針を改めて示したということです。
またロシアが掌握したと主張する地域では、ロシアのパスポートの利用を急速に拡大させる動きがみられ、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」によりますと、南部のヘルソン州や南東部のザポリージャ州で、携帯電話を契約する際などにロシアのパスポートの提示が求められるようになっているということです。