高校野球 国学院栃木 日大三島に逆転で夏の甲子園初勝利

夏の全国高校野球が6日、甲子園球場で開幕し、開会式直後の第1試合は、国学院栃木高校が、静岡の日大三島高校に10対3で勝って2回戦に進みました。
国学院栃木は夏の甲子園、初勝利です。

ことしの開幕試合は、33年ぶり出場の日大三島と37年ぶり出場の国学院栃木との対戦となりました。

国学院栃木は3点を追う4回、2年生エースの盛永智也投手のタイムリーヒットと、相手の2つのエラーで同点に追いつきました。
直後の5回、盛永投手はノーアウト満塁のピンチを強気に速球で押して無失点でしのぐと、そのウラ、4番の平井悠馬選手のタイムリーツーベースヒットで1点を勝ち越しました。
その後も国学院栃木は6回に4点、8回に2点を奪ってリードを広げ、投げては盛永投手が146球を投げて9回3失点で完投し、10対3で勝って2回戦に進みました。
国学院栃木は夏の甲子園、初勝利です。
2回戦は、大会連覇を目指す智弁和歌山と対戦します。

日大三島は、序盤に打線がつながり4回までに3点を奪いましたが、エースの松永陽登投手が5回途中4失点とふんばれず、継投した投手も相手打線を抑えることができませんでした。

国学院栃木 2年生エース 盛永智也投手「ピンチで冷静に」

国学院栃木高校は2年生エースの盛永智也投手が中盤の大きなピンチを、冷静に、かつ強気のピッチングで抑え、勝利をたぐり寄せました。

盛永投手は、最速140キロを超える速球を中心に、インコースを強気に突くピッチングが持ち味の右の本格派のピッチャーで、栃木大会では10連覇中だった作新学院を準決勝で破るなどして、37年ぶりとなる夏の甲子園出場をつかみました。

しかし、開会式直後の第1試合とあって盛永投手は「緊張もあって球がいってなかった。びびってしまってインコースも突けなかった」と立ち上がり思うような投球ができません。
日大三島に2回に1点を先制されると、4回には3本の長打を集中されて2点を失いました。そのウラに打線が3点を返して同点に追いつきましたが、直後の5回、盛永投手は3連続ヒットを許し、ノーアウト満塁のピンチを迎えました。

ここで伝令を送った柄目直人監督は「落ち着いてキャッチャーを信じて、心を込めて投げるように」と指示を送り、盛永投手も「“1点はオーケー”と楽に投げられた」と冷静に気持ちを切り替えました。

まず、日大三島の3番バッターを浅いレフトフライに打ち取ると、続く、ここまでヒット2本の4番・松永陽登投手との対戦では高めの速球を振らせて空振り三振を奪いました。そして、5番の野口央雅選手には「びびらずに投げられた」と持ち味であるインコースのストレートで見逃し三振。最大のピンチを無失点でしのぎ相手に流れを渡しませんでした。
このあと打線の援護を受けた盛永投手は、コントロール重視のピッチングに切り替え、6回以降は相手にヒットを1本も許さず、146球を投げて9回3失点と完投しました。

栃木大会は継投も駆使して勝ち上がってきた国学院栃木。
柄目監督は「盛永には展開次第で完投できたらいいとは話していた。尻上がりに安定して、淡々と力みもなく投げていた。安心して任せられた」と大舞台でのエースの力投をたたえました。

「背番号1をもらっているので、9回を投げ抜かないといけないと思っていた。絶対に1勝するという気持ちだった」と盛永投手。エースの意地が、37年前は成し遂げられなかった夏の甲子園での初勝利を引き寄せました。

盛永智也投手「コントロールを重視」

盛永智也投手は「序盤はインコースを投げるときに少し怖がってしまったので、それが打たれた原因だと思う。その後、きょうは球がいっていないと感じ、コントロールを重視して投げることを意識した」と、4回までに3点を奪われながらも、その後は得点を許さなかった自分の投球を振り返りました。

2回戦で、大会連覇を目指す智弁和歌山と対戦することについては「きょうのように甘いところに球がいったらヒットではなくホームランになるような相手だと思う。1球1球、気をつけながら投げていきたい」と話していました。

国学院栃木 平井悠馬主将「学校の歴史に名を刻め うれしい」

国学院栃木の4番で、この試合、2打点のキャプテン 平井悠馬選手は、5回の勝ち越しとなるタイムリーツーベースについて「ランナーが一塁にいたので、つなぐ意識で打席に入った。打球がレフトに飛んで、なんとかランナーがホームに帰ってくれと思った」と振り返りました。

また、37年ぶりの出場で夏の甲子園初勝利をあげたことについては「勝ててほっとしている。学校の歴史に名前を刻めてうれしい」と話していました。

国学院栃木 柄目直人監督「選手たちをたくましく思う」

国学院栃木の柄目直人監督は「選手たちをたくましく思う。途中から連打が出てよくやってくれた」と夏の甲子園、初勝利の心境を話しました。

2年生エースの盛永智也投手が満塁のピンチを背負った5回については「彼は力んでしまう部分もあるので、落ち着いて、キャッチャーを信じて1球1球、心を込めて投げろと指示を出した」と振り返りました。

その上で「尻上がりにピッチングが安定してきたし、それに合わせてキャッチャーが上手にリードしてくれた」とバッテリーをねぎらいました。

次の智弁和歌山との対戦に向けては「非常に強い相手だと思うので、しっかり準備をして、もう一段階強くなってチャレンジャーとしてぶつかっていきたい」と意気込みを話しました。

日大三島 エースで4番 松永陽登投手「流れを断ち切れず」

日大三島のエースで4番の松永陽登投手は「先制点が取れて流れを作れた試合だったが、フォアボールやエラーで崩れてしまった。相手の足を絡ませる攻撃に揺さぶられたところがあったと思う」と試合を振り返りました。
自分のピッチングについては「ベストな状態ではなかったが、無駄なランナーを出さないことと、打たせて取るためにコーナーをつくことを意識した。しかし、4回と5回に連打やミスが続いた際に流れを断ち切れなかった」と話していました。
一方、バッティングについては「センバツではノーヒットだったが、最初の打席で長打が出てチャンスを作ることができた。春からの成長を感じることができた」と晴れやかな表情を見せました。

また、入学と同時に日大三島での指導を始めた永田裕治監督について聞かれると「中学では輝く選手でもなかった自分が、永田監督と出会って野球人生が変わった。エースナンバーをもらったときに『エースはみんなの2倍、3倍練習しなさい』と指導されたことが最も印象に残っている。いい経験をさせてくれて、監督には感謝している」と話していました。

日大三島 先制犠飛の野口央雅選手「力の差を感じた」

2回に先制点となる犠牲フライを打った日大三島高校の野口央雅選手は「前の打者の松永選手がいい当たりでスリーベースヒットを打ってくれたので、そこを絶対かえす気持ちで打席に入った。第1打席で先制することができてよかった」と振り返りました。
そのうえで「春のセンバツ同様、力の差を感じた試合だった。1勝という目標を掲げていたが、それができなくて残念だった」と悔しさをにじませていました。

日大三島 永田裕治監督「3年生には感謝」

日大三島の永田裕治監督は「エラーが絡んでの失点があったが、これは私の指導不足だと思う。春、夏と甲子園で戦ってみて、勝つためには、まだすべてが足りないと思った」と7点差で敗れた試合を振り返りました。
永田監督は、おととし4月に日大三島の監督に就任し、今の3年生が入学したのと同時に指導を開始していますが、その直後からおよそ2か月半に渡って新型コロナの影響で対面での指導ができなくなりました。
そうしたなかで、春夏連続で甲子園で試合ができたことについて、「就任直後のまだ顔も名前も分からないなかオンラインで連絡を取り合いながら指導した。まさかこの代が連続で甲子園に連れてきてくれるとは思っていなかった。選手たちが僕を信じてついてきてくれたおかげで、3年生には感謝という言葉しかない」と話していました。