ASEAN 外相会議の共同声明 難しい立場 示すものに

ASEAN=東南アジア諸国連合は、外相会議の共同声明を発表し、軍が実権を握るミャンマーについて暴力の即時停止など、ASEANとの合意の履行が進んでいないことに強い失望を示したうえで、軍に対して事態を進展させるよう促す内容となっています。

ASEANの一連の外相会議はカンボジアの首都プノンペンで開かれ、5日、本会議の共同声明が発表されました。

それによりますと、軍が実権を握るミャンマーについて、先月、民主活動家など4人の死刑が執行されたことに触れ、政治危機が長期化していることに懸念を示したうえで、暴力の即時停止などASEANとの合意項目の実施について「軍側の取り組みが足りず、深く失望している」としています。

このため、声明ではことし11月に開かれる首脳会議で、進展があったかどうかを検証し、ミャンマーへの措置を強めるべきか検討するよう各国に提案していて、軍に事態を進展させるよう促すものとなっています。

また、ウクライナ情勢については「敵対行為の即時停止と平和的解決に向けた環境づくりが重要だ」としたものの、ロシアを非難する記述は盛り込まれませんでした。

中国が海洋進出を強める南シナ海については、複数の加盟国から懸念が示されたとして、自制を求めているものの、去年開かれた会議の声明とほぼ同じ表現にとどまりました。

ASEAN加盟国の中には、中国やロシアと経済や軍事面でつながりが深い国もあり、それぞれの立場も異なることから、共同声明はその難しい立場を示すものとなりました。

当事者不在で議論

アジア太平洋地域の安全保障について話し合うARF=ASEAN地域フォーラムが5日カンボジアで行われました。

ARFはASEAN=東南アジア諸国連合の加盟国や日本、アメリカ、中国などが参加する会議で、議長国カンボジアのプラク・ソコン副首相兼外相が、ロシアによるウクライナ侵攻や、アメリカのペロシ下院議長の訪問で緊張が高まる台湾情勢などを念頭に、「問題は何らかの形ですべての国に影響を及ぼしている。だからこそ、すべての人が協力し、課題に取り組むべきだ」と解決に向けた対話の重要性を訴えました。

しかし、中国の王毅外相とアメリカのブリンケン国務長官が冒頭を欠席し、ロシアのラブロフ外相も途中で退席するなど、当事者が不在のまま、ウクライナ侵攻や台湾情勢について意見が交わされる形となりました。