南海トラフ巨大地震 専門家の検討会「特段の変化 観測されず」

南海トラフで巨大地震が起きる可能性を評価する定例の検討会が開かれ、「特段の変化は観測されていない」とする見解をまとめました。

専門家でつくる検討会は、南海トラフの想定震源域やその周辺で観測されたデータを分析しました。

巨大地震の想定震源域にあたる地域では、先月25日、静岡県東部でマグニチュード3.5の地震が起き、静岡県富士宮市で震度3の揺れを観測しました。

この地震は、プレート境界で起きたものではなく、地震の規模などからプレート間の固着状態に特段の変化を示すものではないと考えられるとしています。

また、想定震源域やその周辺では、「深部低周波地震」と呼ばれる小規模な地震が、四国西部では、
▽先月7日から13日にかけてと、
▽先月14日から16日にかけて、
四国東部では
▽先月25日から30日にかけてそれぞれ観測されました。

これに伴って、周辺の複数の「ひずみ計」でわずかな地殻変動が観測され、想定震源域のプレートの境目が深いところでゆっくりとずれ動く「短期的ゆっくりすべり」が原因とみられるということです。

深部低周波地震や短期的ゆっくりすべりは想定震源域やその周辺でたびたび観測されているということで、検討会は「大規模な地震の発生の可能性が平常時と比べて相対的に高まったと考えられる特段の変化は観測されていない」とする見解をまとめました。

検討会の会長で、東京大学の平田直名誉教授は「現在のところ、南海トラフ地震が発生すると判断できるようなふだんとは変わった観測データは得られていないが引き続き大きな地震がいつ起きても不思議でない状態だと考え、地震への備えを続けてほしい」と呼びかけました。