“実弾紛失で取り調べ受けうつ病” 奈良県警警察官が県を提訴

奈良県警察本部が「紛失した」と発表していた拳銃の実弾5発が実際には紛失していなかったとして先月、訂正したことについて、奈良県警の20代の男性警察官が、実弾を盗んだ疑いで取り調べを受けてうつ病を発症したとして、およそ700万円の賠償を求める訴えを起こしました。

奈良県警察本部はことし1月、奈良西警察署で保管していた拳銃の実弾5発を「紛失した」と発表しましたが、先月15日、その後の調査の結果、県警察本部の担当者のミスで弾の数を実際より少なく配分していたもので、紛失ではなかったと訂正しました。

これについて、奈良西警察署に勤務する20代の男性警察官が実弾を盗んだとして窃盗の疑いで取り調べを受け、うつ病を発症したなどとして、5日、県に対し、700万円余りの賠償を求める訴えを起こしました。

訴状などによりますと、男性警察官は問題の発覚以降、連日取り調べを受け、「お前しかおらん。うそをつくな」などと言われて自白を強要され、うつ病を発症して休職せざるをえなくなったということです。

男性警察官は「休職した半年間は決して取り戻せない。私だけではなく妻も屈辱的なことばを受け、不安な気持ちにさせてしまった。今回の件が本当に正しい事なのか、第三者の中立な立場から判断してもらいたい」とコメントしています。

奈良県警察本部監察課は「訴状が送達されれば内容を確認の上、引き続き丁寧かつ誠実に対応してまいります」とコメントしています。

奈良県警 当時の担当者ら3人を処分

奈良県警察本部は、男性警察官に対し「結果として多大な心配と負担をおかけした」と説明したということです。

また、先月15日付けで、当時の県警察本部と奈良西警察署の担当者ら3人の処分を行いました。

おととしに行われた実弾の交換の際に、誤って必要な数より少なく奈良西警察署に配分していたとして、当時、本部警務課に所属していた30代の警部を「本部長注意」にしたほか、拳銃や実弾の取り扱い責任者だった当時の奈良西警察署の副署長と、去年、拳銃や実弾の点検を行った、当時、奈良西警察署警務課に所属していた40代の警部補を「所属長訓戒」の処分にしました。