安倍元首相銃撃「情報共有や指揮不十分で後方警戒に隙」警察庁

安倍元総理大臣が演説中に銃撃されて死亡した事件で、警察庁は、演説直前に警察官の配置が変更されながら、現場での情報共有や指揮が不十分で、後方の警戒に隙が生まれたなどとする、問題点を明らかにしました。要人警護の規則を見直すことも視野に、今月にも検証結果をまとめる方針です。

先月8日、奈良市で演説中に安倍元総理大臣が銃で撃たれて死亡した事件で、襲撃を未然に防げなかった当時の警備について検証を進めている警察庁は、5日、現時点でまとめた問題点を明らかにしました。

それによりますと、奈良県警が作成した「警護・警備計画」について、6月に自民党の茂木幹事長が同じ場所で演説していたことなど前例を安易に踏襲し、十分な検討が行われていなかったとしています。

また、警察官の配置について、元総理大臣が演説を行った場所はガードレールで囲まれ、当初、SPを含む3人の警察官がその内側で警戒していましたが、演説直前にガードレールの外側にいた1人の警察官が内側に入り、配置が変更されたということです。

ほぼ同じころ、前方の聴衆が増えたことなどから、警戒の重点が前方に移りましたが、こうした変更が現場の警察官どうしで共有されていなかったうえ、統括役の警察官も全体状況を把握できておらず、元総理大臣の後方を警戒する要員を補強するなどの指揮を執らなかったことで、隙が生まれたとしています。

このほか、ネットなどの情報をもとに銃の製造が容易になっているという認識が十分でなかったことや、犯罪の抑止効果があるとされる制服の警察官が配置されていなかったことなども問題点として挙げています。

警察庁は、現地の警護・警備計画について事前に報告を受けるなど、要人警護への関与を強めるため、「警護要則」を見直すことも視野に、今月にも検証結果をまとめる方針です。