ウクライナ軍 南部を中心に反撃 ロシア軍は戦力再配置か

ウクライナ軍は、南部ヘルソン州などで欧米からの兵器を活用し、ロシア軍に掌握された地域の奪還に向けて反撃を続けています。これに対しロシア軍は、南部の防衛のために戦力の再配置を余儀なくされ、対応に追われているという見方が出ています。

ロシア国防省は4日、ウクライナ東部ドネツク州やハルキウ州をミサイルで攻撃し、多数の兵士を殺害したほか、南東部ザポリージャ州でも弾薬庫や燃料庫を破壊したと発表しました。

ドネツク州のキリレンコ知事は4日、トレツクにある交通機関の停留所がロシア軍の砲撃を受け、8人が死亡、子どもを含む4人がけがをしたと明らかにしました。

これに対し、ウクライナ軍は南部を中心に反撃していて、イギリス国防省は、ウクライナ軍がロシアの後方支援基地や弾薬庫などを標的に攻撃し、ロシア軍の補給活動に打撃を与えていると指摘しています。

また、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は4日、「ウクライナが戦略の主導権を握り、ロシア軍はウクライナ軍の反撃に対応して戦力の再配置などを余儀なくされているようだ。ウクライナが初めて積極的に戦況をつくることを可能にしているとみられる」と指摘しました。

具体的には、ロシア軍は掌握を目指してきたドネツク州で、ウクライナ側の拠点、スロビャンシクなどの攻略を断念したとみられる一方で、ウクライナ軍が反撃を続けるヘルソン州やザポリージャ州を防衛するため、南部への部隊や装備の移転を進めているとしています。

また、ロシアが一方的に併合した南部クリミアについても、ロシア軍は大砲や航空機などを再配備していると指摘し、欧米からの兵器を活用したウクライナ軍の反撃への対応に追われている可能性が出ています。