【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(8月5日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる5日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

米シンクタンク「ウクライナが戦略の主導権」

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は4日、「ウクライナが戦略の主導権を握り、ロシア軍はウクライナ軍の反撃に対応して戦力の再配置などを余儀なくされているようだ。ウクライナが初めて積極的に戦況をつくることを可能にしているとみられる」と指摘しました。

具体的には、ロシア軍は掌握を目指してきたドネツク州で、ウクライナ側の拠点、スロビャンシクなどの攻略を断念したとみられる一方で、ウクライナ軍が反撃を続けるヘルソン州やザポリージャ州を防衛するため、南部への部隊や装備の移転を進めているとしています。

また、ロシアが一方的に併合した南部クリミアについてもロシア軍は大砲や航空機などを再配備していると指摘し、欧米からの兵器を活用したウクライナ軍の反撃への対応に追われている可能性がでています。

国際的人権団体 “ウクライナ軍 国際人道法に違反”

国際的な人権団体の「アムネスティ・インターナショナル」は4日、ことし4月から7月にかけてウクライナ東部のハルキウ州やドンバス地域などで行った調査結果を報告しました。

それによりますと、19の町や村で民間施設に軍事拠点を設けて、住宅街から攻撃を仕掛けている証拠を調査員が見つけたということです。「アムネスティ・インターナショナル」は、「ウクライナ軍が人口密集地域で活動する際に民間人を危険にさらしている」としたうえで国際人道法に違反していると指摘しています。

これに対し、ゼレンスキー大統領は「現実とは完全に違った内容だ。これはテロリスト国家に恩赦を与え、侵略者から被害者に責任を転嫁しようとしている」と非難しています。

サハリン2「新会社への参画 前向きな検討を要請」萩生田経産相

ロシア政府が石油と天然ガスの開発プロジェクト「サハリン2」の事業を引き継ぐ新たなロシア企業の設立を決定したことを受けて、萩生田経済産業大臣は、5日の閣議のあとの会見で、このプロジェクトに出資する大手商社に対して、新会社への参画を前向きに検討するよう要請したことを明らかにしました。

サハリン2をめぐっては、事業を引き継ぐロシア企業が設立されてから1か月以内に日本側がいまの出資割合で新会社の株式を取得することに合意するかどうか、ロシアに通知するよう求められています。

これについて萩生田経済産業大臣は、このプロジェクトに出資している大手商社の三井物産と三菱商事に対して、新会社への参画を前向きに検討するよう要請したことを明らかにしました。

ウクライナからの穀物輸出 トルコ政府が新たに船3隻の出発計画

ロシア軍による黒海の封鎖で滞っていた、ウクライナからの貨物船による穀物輸出の再開を受けて、トウモロコシを積んだ最初の船が中東レバノンに向かっています。

また、トルコのアカル国防相は、農産物を積んだ貨物船3隻が5日にウクライナ南部の港から出発する計画があることを明らかにしました。

さらにウクライナへの貨物船の入港についても「空荷の船がイスタンブールでの検査を経て、ウクライナに向かうことも予定されている」としています。

ウクライナへの貨物船の入港については、これまでロシアが武器の運搬に利用されるおそれがあるとして難色を示していましたが、ロシアとウクライナ、それに仲介役のトルコと国連の合意に基づく、農産物の輸出に向けた動きが着実に進んでいることがうかがえます。

ウクライナ東部や南部で戦闘続く

ロシア国防省は4日、ウクライナ東部ドネツク州などをミサイルで攻撃し、多数のウクライナ兵士を殺害したほか、南東部ザポリージャ州でも弾薬庫や燃料庫を破壊したと発表しました。

これに対し、ウクライナ軍は南部を中心に反撃していて、イギリス国防省はウクライナ軍がロシアの後方支援基地や弾薬庫などを標的に攻撃し、ロシア軍の補給活動に打撃を与えていると指摘しました。

ウクライナ出発した貨物船 レバノンへ

ロシア軍による封鎖で黒海に面するウクライナ南部の港から農産物の輸出が滞っている問題を巡り、トウモロコシを積んだ最初の船がウクライナを出発し、中東レバノンに向かっています。

深刻な食料不足に直面するレバノンからは歓迎の声があがっています。

トルコ国防相 “貨物船3隻 出発する計画”

トルコのアカル国防相は5日に農産物を積んだ貨物船3隻がウクライナ南部の港から出発する計画があることを国防省のホームページで明らかにしました。
さらにウクライナへの貨物船の入港についても、「空荷の船がイスタンブールでの検査を経て、ウクライナに向かうことも予定されている」とも記しています。
ウクライナへの貨物船の入港についてはこれまでロシアが武器の運搬に利用されるおそれがあるとして難色を示していましたが、ロシアとウクライナ、それに仲介役のトルコと国連の合意に基づく、農産物の輸出に向けた動きが着実に進んでいることがうかがえます。

ロシア 米の女子プロバスケ選手に禁錮9年の判決

ロシアで違法にあたる薬物を所持していたとして起訴されたアメリカの女子プロバスケットボール選手について、ロシアの裁判所は禁錮9年の判決を言い渡しました。
アメリカ政府が不当な拘束だと反発していて、アメリカとロシアの外交的な対立が一段と深まる可能性も出てきています。

禁錮刑を言い渡されたのはアメリカの女子プロバスケットボールのブリトニー・グライナー選手です。
オリンピックで2大会連続で金メダルを獲得したチームのメンバーでした。

ことし2月にモスクワ郊外の空港での荷物検査でロシアで違法にあたる薬物を所持していたとして拘束され、麻薬密輸の罪で起訴されていました。

ロシアのモスクワ州にある裁判所は、4日にグライナー選手に禁錮9年の判決を言い渡しました。

アメリカ政府はこれまで「不当な拘束だ」と反発し、バイデン大統領がグライナー選手に手紙を届けるなどして、釈放に向けて全力を尽くすと強調してきました。

これに対しロシア側は「法律に従ったもので政治的な動機ではない」と主張しています。

アメリカのブリンケン国務長官は先月30日に行ったロシアのラブロフ外相との電話会談の中でもグライナー選手の釈放を求めたばかりで、アメリカとロシアの外交的な対立が一段と深まる可能性も出てきています。

バイデン大統領「すみやかに釈放するよう求める」

アメリカのバイデン大統領は4日に声明を発表し、ロシアが選手を不法に拘束していると改めて非難したうえで「判決は受け入れがたく、選手が愛する人たちやチームメートのもとに帰れるようロシアにはすみやかに釈放するよう求める」と訴えました。

またホワイトハウスのカービー戦略広報調整官はMSNBCテレビに対し、ブリンケン国務長官がこの件についてロシアのラブロフ外相と、ASEAN=東南アジア諸国連合の外相会議が開かれているカンボジアで話し合う機会を探るという見通しを示しました。

ロシアとトルコ大統領会談へ

ロシアとウクライナの仲介役のトルコのエルドアン大統領が5日、ロシアを訪れてプーチン大統領と会談する予定で、今後の穀物輸出の安全についてどのような意見が交わされるのか注目されます。

ドネツク州知事 “停留所に砲撃 8人死亡”

ウクライナ東部ドネツク州のキリレンコ知事は4日、SNSで「ロシアの砲撃によりトレツクで8人が死亡、4人が負傷した」と明らかにしました。
砲撃を受けたのは交通機関の停留所で、負傷者のうち3人は子どもだったとしています。
ゼレンスキー大統領はロシア軍が完全掌握を目指すドネツク州の住民に避難を命じる考えを示していて、キリレンコ知事も「毎日、市民が攻撃を受けている」として避難を急ぐよう重ねて呼びかけました。

NY原油 1バレル90ドル割り込む ウクライナへの侵攻後初めて

4日のニューヨーク原油市場では国際的な原油の先物価格がロシアによるウクライナ侵攻後初めて一時、1バレル=90ドルを割り込んで1バレル=87ドル台後半まで値下がりしました。

1バレル=90ドルを割り込むのは、ことし2月24日にロシアがウクライナに軍事侵攻を行って以降初めてです。

背景には中国や欧米の景気が今後減速し、原油の需要が落ち込むとの見方が強まっていることが大きく影響しています。

また、3日にアメリカのエネルギー情報局が発表した原油とガソリンの在庫が増加し、供給不足への警戒が和らいだことも価格下落につながっています。

ロシアによる軍事侵攻でWTIの先物価格はことし3月初旬に一時、1バレル=130ドルを超え、世界的なインフレを加速させる要因となりました。