新型コロナ 保健所への発生の届け 入力項目最小限に 政府決定

新型コロナの全数把握をめぐり、政府は、医療現場の負担を減らすため、重症化リスクの低い患者については、保健所に発生を届け出る際、ワクチンの接種回数や詳しい住所は求めないなど入力を最小限にすることを決めました。

新型コロナの全数把握をめぐっては、「HER-SYS」と呼ばれるシステムを使って情報を一元的に集約していますが、医療現場での事務作業が大きな負担になり、診療や検査に影響が出ているとして全国知事会や日本医師会などが早急に見直すよう求めています。

こうした中、政府は4日、新型コロナウイルス対策本部を持ち回りで開き、医療機関が保健所に感染の発生を届け出る際の入力項目を最小限にすることを決めました。

具体的には、65歳未満で基礎疾患がないなど重症化リスクの低い患者については、ワクチンの接種回数や、番地などの詳しい住所、それに氏名のふりがなといった項目の入力は求めないとしています。

これにより該当する患者の情報は、氏名、性別、生年月日、市区町村名、電話番号など7つの項目となり、これまでより8つ少なくなりました。

こうした措置について、厚生労働省は4日の夜のうちに都道府県などに通知するということです。

後藤厚生労働大臣は記者会見で「全数把握の見直しの議論もあったが、全数把握は、患者へのアプローチの起点となるなど重要なものだ。今後は、ウイルスの変異なども見極めて、専門家の意見も聞きながら判断していきたい」と述べました。