記録的大雨 山形 新潟 北陸で 予想を大きく上回る雨量の背景は

3日から4日にかけて、山形県や新潟県、北陸で記録的な大雨となっています。

気象庁の当初の予想を大きく上回る大雨となった背景について、専門家は、前線が停滞し続けたことに加え、大量の水蒸気が日本海側に流れ込んだことが影響しているとしています。

“海側から前線がのびる場合 予測精度に限界も”

気象庁によりますと、ここ数日、東北付近では日本海からのびる前線がゆっくりと南下していて、前線の南側にあたる地域で大雨を降らせていました。
この前線は3日、北陸付近まで南下していく予想でしたが、結果的には山形県や新潟県の周辺で丸1日近く停滞しました。

このため、前線の南側の地域にあたる東北南部や新潟県など、同じような場所で雨雲が発達しやすい状況が続いたということです。
前線が気象庁の予想以上に停滞した理由について、気象のメカニズムに詳しい名古屋大学の坪木和久教授は「日本海側から前線がのびる場合、海上で風速や水蒸気量をはかる手段がないため前線の位置や発達の程度など、予測の精度には限界がある」と指摘していて、海上で観測する手法の検討などを進めるべきだとしています。

「大気の川」も記録的大雨の要因に

さらに、記録的な大雨となった背景として坪木教授がみているのが、停滞する前線に大量の水蒸気を供給した「大気の川」の存在です。
「大気の川」は大量の水蒸気が巨大な帯状になって流れ込む現象で、坪木教授は今回、東シナ海から東北沖にかけてのおよそ2000キロに及んだとみています。

今回は、水蒸気が日本の南にある「太平洋高気圧」のふちをまわるように流れ込んだのに加え、もともと台風6号だった熱帯低気圧からも大量に持ち込まれたということです。

2方向から水蒸気が流れ込み続けたことで「大気の川」の規模も大きくなり、前線付近で次々と雨雲が発達した可能性があるということです。

坪木教授は「今回大雨になった地域では平成16年7月の新潟・福島豪雨や福井豪雨など、大規模な水害がたびたび発生しているが、水蒸気の供給量は当時と同じか、それ以上の可能性がある」としたうえで「日本海にはまだ大量の水蒸気があって長時間、雨が続くおそれもある。引き続き厳重に警戒し、適切な避難行動をとってほしい」と話していました。