中国 軍事演習始まる “台湾周辺海域に弾道ミサイル発射”

アメリカのペロシ下院議長が台湾を訪問したことを受けて、中国軍は4日、台湾を取り囲むように実弾での射撃なども含めた大規模な演習を始めました。これに対し台湾側は、中国が台湾の周辺海域に向けて弾道ミサイルを発射したなどと非難し、地域の緊張が一層高まることが懸念されます。

中国国防省は、現地時間の4日正午、日本時間の4日午後1時に、台湾を取り囲むように合わせて6か所の海域と空域で、実弾での射撃なども含めた「重要軍事演習」を開始したと、NHKの取材に対して明らかにしました。

中国軍で東シナ海を所管する東部戦区は、陸軍の部隊が4日午後、台湾海峡に向けて長距離の実弾射撃演習を行ったと発表しました。

また、ロケット軍の部隊も4日午後、台湾東部の海域に向けて複数のミサイルを発射したとしています。

アメリカのペロシ下院議長が、3日まで台湾を訪問したことを受けて、台湾を不可分の領土と主張する中国は激しく反発していて、中国国防省は4日、談話を発表し、東部戦区が行った演習について「アメリカと台湾の結託に対する厳正な抑止力だ」としています。

一方、台湾国防部は、中国軍が4日午後、台湾の北部や南部、それに東部の周辺海域に向けて11発の「東風」弾道ミサイルを発射したと発表しました。

また、中国福建省の沿岸にある台湾が実効支配する離島の周辺で、長距離ロケットなどの実弾射撃を行ったことを確認したとしています。

そのうえで「地域の平和を破壊する理性のない行動を非難する」としています。

中国軍は今月7日まで演習を行うとしていて、地域の緊張が一層高まることが懸念されます。

台湾周辺の米中の軍事力は

アメリカのインド太平洋軍によりますと、中国軍はこの20年余りの間に台湾の周辺で軍事力を拡大し、戦闘機や弾道ミサイルなどの数はアメリカ軍を大きく上回っています。

1999年の時点では、
▽戦闘機は中国軍が100機、アメリカ軍が175機、
▽空母は中国軍が0隻、アメリカ軍が1隻、
▽戦闘艦は中国軍が14隻、アメリカ軍が12隻、
▽潜水艦は中国軍が10隻、アメリカ軍が6隻、
▽弾道ミサイルは中国軍が550基、アメリカ軍が0基でした。

その後、去年には
▽戦闘機は中国軍が1250機、アメリカ軍が第5世代戦闘機も含め250機、
▽空母は中国軍が2隻、アメリカ軍が1隻、
▽戦闘艦は中国軍が60隻、アメリカ軍が12隻、
▽潜水艦は中国軍が56隻、アメリカ軍が10隻、
▽弾道ミサイルは中国軍が1125基、アメリカ軍が0基となっています。