コロナ感染拡大で宅配スタッフの自宅待機大幅増 人繰り厳しく

食料品などの宅配サービスの現場では、新型コロナウイルスの感染拡大で利用者が増加している一方で、職員やスタッフの自宅待機も大幅に増え、厳しい人繰りが続いています。

神奈川県と山梨県、静岡県の合わせて51万世帯に食料品などを配送している「生活協同組合ユーコープ」では、先月以降、感染したり濃厚接触者となったりするスタッフが急増していて、今月に入ってからは職員やスタッフのうち、およそ100人が自宅待機を余儀なくされ、ふだんは配送に従事していない管理職や営業の担当者などが応援に入って、宅配サービスを続けています。

このうち、横浜市中区の配送拠点では、多い時で一日に8人が自宅待機となる日もあったということで、3日の朝礼でも「ひとりでも欠けると立ちゆかなくなる状況ですが、感染防止対策を徹底して、異変があればすぐに報告してください」とスタッフへの呼びかけが行われていました。

ふだんは内勤業務をしている40歳の管理職の男性は「欠員を少しでも埋めようと外に出ていますが、ギリギリの状態です。暑い中でのマスクをつけての配送は息苦しく大変です」と話していました。
ユーコープによりますと、スタッフ1人につき一日およそ70軒を訪問しますが、人手が確保しきれないと1人で一日に100軒ほど訪問することもあり、配達時間が通常より4時間から5時間遅れるケースがあるほか、スタッフの残業も増えているといいます。

宅配運営課の富田淳一課長は「第5波、第6波でもこれほど感染するスタッフは出なかったので、本当に初めての状況です。収束が見通せませんが、感染防止対策を徹底し、ご注文いただいた商品を当日、確実に届けられることを最優先に、組織全体で体制を構築していきたい」と話していました。