ASEANとの外相会議 林外相“力による一方的な現状変更認めず”

日本とASEAN=東南アジア諸国連合に加盟する国との外相会議がカンボジアで開かれ、林外務大臣はウクライナ情勢などをめぐり、いかなる地域でも力による一方的な現状変更は認められないという考えを強調しました。

3年ぶりに対面で開かれた会議は、カンボジアの首都、プノンペンで、日本時間の正午前から1時間余り行われました。

この中で林外務大臣は、新型コロナ対策で支援を継続することや、ASEANが打ち出しているインド太平洋地域に関する独自の構想「アセアン・アウトルック」を支持する考えを改めて伝えました。

そのうえで、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻は、国際法の明白な違反だと厳しく非難し、いかなる地域でも力による一方的な現状変更は認められず、主権と領土の一体性を尊重することが重要だと強調しました。

さらに中国の海洋進出を念頭に、東シナ海や南シナ海での力を背景とした現状変更の試みを継続・強化する動きに強く反対する考えを示したのに対し、ASEAN側からも航行や上空飛行の自由の重要性を指摘する意見が出されました。

また、林大臣はミャンマー情勢をめぐり、アウン・サン・スー・チー氏の側近だった議員らの死刑が執行されたことに深刻な憂慮を伝え、ミャンマーに対し、暴力の即時停止や拘束している人たちの解放などを改めて求めました。

そして、来年、日本とASEANの友好協力関係が50周年を迎えるのに合わせて各国の首脳を日本に招いて開く特別首脳会議で将来のビジョンを打ち出す考えを明らかにし、今後も各国と緊密に連携していくことを確認しました。