“中国軍機20機以上が台湾海峡「中間線」越える” 台湾国防部

台湾国防部は、中国軍の戦闘機延べ20機以上が3日、台湾海峡の「中間線」を越えて台湾側の空域に進入したと発表しました。中国軍は、4日からは、台湾周辺で大規模な軍事演習も行うとしていて、アメリカのペロシ下院議長の台湾訪問に反発して、軍事的な圧力を強めているものとみられます。

台湾国防部の発表によりますと、台湾周辺の空域に、3日、中国軍の戦闘機延べ27機が進入し、このうち22機が台湾海峡の「中間線」を越えたということです。

「中間線」は中台両軍の偶発的な衝突を避けるための境界線とされ、これを越えて相手側に近づく飛行は挑発の度合いがより高いとみなされています。

これほど多数の中国軍機が同じ日にこの線を越えて台湾側の空域に入ったことが確認されるのは異例です。

一方、中国軍は、4日からは、台湾を取り囲むように合わせて6か所の海域と空域で、実弾での射撃なども含めた「重要軍事演習」を始めるとしています。

演習が行われる海域には、日本のEEZ=排他的経済水域も含まれるうえ、台湾メディアによりますと、台湾が領海だとする海域も一部含まれているということです。

台湾には、3日まで、アメリカのペロシ下院議長が訪れ、台湾を不可分の領土だと主張する中国はこれに強く反発していて、一連の中国軍の動きは、対抗措置として軍事的な圧力を強めているものとみられます。

「中国国家安全局 台湾出身の32歳男性を拘束」中国中央テレビ

国営の中国中央テレビは、中国東部 浙江省温州市の国家安全局が3日、台湾出身の32歳の男性を、国家の分裂を扇動した疑いなどで拘束したと伝えました。

男性は、以前から台湾の独立に向けた活動を続けてきたとしています。

中国は、アメリカのペロシ下院議長の台湾訪問を受けて、軍事演習を行うと発表したり台湾との一部の品目の取り引きを停止したりするなど、台湾への圧力を強めていて、今回の拘束もその一環とみられます。

米 ホワイトハウス「軍事行動活発化の口実にすべきではない」

アメリカのペロシ下院議長の台湾訪問に反発して中国が、軍事的な圧力を強めていると見られることについて、ホワイトハウスのジャンピエール報道官は3日、会見で「中国は、今回の訪問を危機に発展させようとしたり、台湾海峡周辺で軍事行動を活発化させる口実にしたりすべきではない」と述べ批判しました。

そのうえで、アメリカの台湾政策に変更はなく、ペロシ議長の訪問は、これまでのアメリカの政策と矛盾するものではないと改めて強調しました。

G7外相「不必要な緊張につながる」と懸念表明

中国がアメリカのペロシ下院議長の台湾訪問に反発し、4日から台湾周辺で大規模な軍事演習を行うとしていることなどについて、G7=主要7か国の外相は3日、声明を発表し「不必要な緊張につながる」として、懸念を表明しました。

そのうえで「攻撃的な軍事行動の口実に台湾訪問を利用することは正当化できない。中国の激しい反応は緊張を高め、地域を不安定化させるおそれがある」として、中国に対し、台湾海峡をめぐる問題を平和的に解決するよう求めています。