ドイツ ショルツ首相 天然ガス供給の大幅削減巡りロシアを非難

ロシアからドイツへの天然ガスの供給が大幅に削減されている問題を巡り、ドイツのショルツ首相は、ロシア側が削減の理由にしている国外に出たままのタービンを報道陣に公開し、ロシア側が通関手続きを進めず意図的に輸送を滞らせていると非難しました。

ロシアの政府系ガス会社、ガスプロムはことし6月、ロシアとドイツを結ぶ天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」でガスの輸送に使うタービンが、修理に出したカナダから制裁の影響で戻せないとして供給量を大幅に削減し、供給量は本来よりもおよそ80%少ない状況になっています。

こうした中、ドイツのショルツ首相は3日、修理を終えてカナダからドイツ西部に輸送され、工場で保管されているタービンを視察しその様子を報道陣に公開しました。

タービンは正常に稼働するものの、先月中旬からドイツにとどまったままで、ショルツ首相はロシアに送るための通関手続きが進んでいないと説明しました。

そのうえで「タービンは返還でき、ガスプロムはヨーロッパへの供給義務をいつでも果たすことができる」と述べ、ロシア側が意図的にタービンの輸送を滞らせ供給削減の理由にしていると非難しました。

一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は3日、「タービンはドイツにあるが書類が不足している。われわれはまだ受け取っていない」と述べ、必要な手続きが終わっていないとしていて、双方の主張は対立しています。