日中韓外相 ASEANとの会議へ 食料危機対応など連携強化確認か

カンボジアで開かれているASEAN=東南アジア諸国連合の外相会議では4日は日中韓の外相がASEANとの会議に臨み、ウクライナ情勢を背景にした食料危機への対応などについて連携強化を確認するとみられます。

カンボジアの首都プノンペンで開かれているASEAN外相会議は3日、加盟国の外相による本会議が開かれました。

会議では軍が実権を握るミャンマー情勢について話し合われ、各国の外務省によりますと暴力の即時停止などASEANとの合意の履行について、軍が後ろ向きな態度を取り続けていることに懸念の声が相次いだということです。

また、マレーシアは今後も軍の対応に大きな進展が見られない場合、ミャンマーのASEANへの参加を一時的に停止するなど、より踏み込んだ対応を取るべきだと主張したということです。

一方、アメリカのペロシ下院議長の訪問で緊張が高まっている台湾情勢についても話し合われ、すべての当事者に対して最大限自制し、挑発的な行為をとらないよう求める声明を発表しました。

4日は日本の林外務大臣と中国の王毅外相、それに韓国のパク・チン外相がASEANとの会議に臨み、ウクライナ情勢を背景にした食料危機への対応などについて連携強化を確認するとみられるほか、ミャンマーや台湾などの地域情勢についても議論が交わされる見込みです。

林外相 自由で開かれたインド太平洋実現へ協力確認へ

林外務大臣は、カンボジアで開かれているASEAN=東南アジア諸国連合の一連の外相会議に出席し、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて各国との協力を確認したい考えです。また、中国の王毅外相とも個別に会談し海洋進出の動きに懸念を伝え、自制を求める方針です。

ASEANの一連の外相会議が対面で開かれるのは3年ぶりで、会議に出席する林外務大臣は3日夜、カンボジアの首都、プノンペンに到着しました。

会議の中で、林大臣は自由で開かれたインド太平洋の実現に向けて各国との協力を確認したい考えです。

また、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻や、東シナ海や南シナ海、北朝鮮やミャンマーなどの地域情勢をめぐっても意見を交わし、日本の方針を説明するものとみられます。

一方、今回の訪問に合わせて林大臣は、中国の王毅外相とも個別に会談するほか、韓国のパク・チン外相らとの会談も調整が進められています。

対面での日中外相会談はおよそ1年9か月ぶりで、林大臣はウクライナ情勢をめぐって責任ある役割を果たすよう求めるとともに、海洋進出を強める動きに懸念を伝え自制を求める方針です。

また、アメリカのペロシ下院議長が中国の強い反対を押し切って台湾を訪問したことから、会談の中で、台湾をめぐるやり取りが行われるのかも焦点となります。

ロシア外相 ミャンマー軍トップと会談 関係強化で一致

ASEAN=東南アジア諸国連合の外相会議に参加するロシアのラブロフ外相はミャンマーで起きた軍によるクーデターのあと3日、初めてミャンマーを訪問して軍のトップ、ミン・アウン・フライン司令官と会談し、国際社会から孤立の度合いを深める両国が関係を強化することで一致しました。

ミャンマーの国営放送によりますと、会談の中で、両国は▽協力関係を強化するため双方に領事館を設置することや▽軍関係者の人的交流を活発化させることで一致したということです。

会談後の記者会見でラブロフ外相は「両国は経済や貿易、軍事技術などのあらゆる分野で協力が行われている」と述べました。

ロシアとミャンマーはウクライナ情勢やクーデターによって国際社会から孤立の度合いを深めていて、両国は今回の会談を通じて関係の緊密さをアピールするねらいがあるものとみられます。