OPECプラス 9月の原油生産量 小幅増産を決定

サウジアラビアが主導するOPEC=石油輸出国機構とロシアなどの主な産油国は来月の原油の生産量を小幅の一日当たり10万バレル増やすことを決めました。
アメリカのバイデン大統領が先月、中東を訪問し、原油増産を働きかけたことを受けて最低限の配慮は示した形ですが、規模は小さく、原油の需給に与える影響は限定的とみられています。

OPECとロシアなど非加盟の産油国でつくるOPECプラスは3日、来月の原油の生産量を決める会合をオンラインで開きました。

その結果、来月の生産量を一日当たり10万バレル増やすことを決めました。

先月と今月の増産幅は一日当たり64万バレル余りで、これと比べると小幅にとどまります。

その理由についてOPECプラスは産油国の増産できる量は限られており、慎重に対応する必要があるとしています。

一方、消費国にとって原油価格の高止まりはインフレの要因になっています。

アメリカは消費者物価指数が記録的な水準となっていて、バイデン大統領は先月サウジアラビアを訪問し、中東の主要な産油国に原油の増産を働きかけました。

今回の決定は産油国側が最低限の配慮は示した形になります。

ただ、増産の規模が小さいうえにOPECプラスの参加国の中には設備投資の不足から生産量が計画を下回る国もあり、原油の需給に与える影響は限定的とみられています。

増産の経緯は

OPECプラスは去年7月、新型コロナウイルスの影響で一時、落ち込んだ世界の原油需要が増加しているとして、原油の生産量を段階的に増やしていくことで合意しました。

これまで続けてきた減産の規模を縮小し、生産量を去年8月からことし4月まで日量40万バレルずつ増やしました。

そしてことし5月から6月は日量43万2000バレルに、増産幅を拡大。

さらにエネルギー価格高騰でインフレに苦しむ欧米からの要請を受けて6月30日の会合では9月に予定していた増産分を前倒しして、7月と8月は増産幅を日量64万8000バレルと拡大しました。

一方、9月以降の生産量については方針が示されておらず、今回、大きな焦点となっていました。

ロシア ノバク副首相「市場に不確実性があるから」

今回の決定について、ロシア政府でエネルギー問題を担当するノバク副首相は3日、ロシアのメディアに対し「市場に不確実性があるからだ。新型コロナウイルスだけでなくロシアの石油や石油製品に対する制限などもあることが、慎重な決定が下された理由だ」と述べました。

そのうえで「石油の需要と供給はすでにパンデミック前のレベルまで回復している」と述べ、大幅な増産は必要ないという考えを示しました。

米ホワイトハウス 「発表歓迎する」も詳しい評価せず

アメリカのバイデン大統領が先月、中東を訪問して原油の増産を働きかけた中でOPECプラスが決めた増産が小幅となったことについて、ホワイトハウスのジャンピエール報道官は3日、会見で「発表を歓迎する」と述べただけで詳しい評価はしませんでした。

そのうえでアメリカでガソリン価格が6月下旬から下落に転じていることを指摘し、「われわれの目標は、国民のためにガソリン価格を引き下げることで、実際にそれが起きている。引き続き、国内外の生産者に原油の増産を呼びかけていく」と述べました。

NY原油市場 約5か月ぶり1バレル=90ドル台前半まで下落

3日のニューヨーク原油市場では主な産油国でつくるOPECプラスの来月の原油の生産量の増産幅が小幅にとどまったとの受け止めが広がり、原油価格の国際的な指標となるWTIの先物価格は1バレル=93ドル台から一時、1バレル=96ドル台まで上昇しました。

しかし、その後は、この日、発表されたアメリカの原油の在庫が増加したことを受けて、今後の供給への不安が和らいだことから、WTIの先物価格は値下がりに転じ、一時、1バレル=90ドル台前半まで下落してことし2月下旬以来、およそ5か月ぶりの安値をつけました。