ASEAN外相会議 ミャンマー情勢“状況以前よりも悪化” 議長国

ASEAN=東南アジア諸国連合の一連の外相会議が始まり、議長国カンボジアのフン・セン首相は軍が実権を握るミャンマー情勢について「状況は以前よりも悪化している」などとして強い懸念を示しました。

ASEANの一連の外相会議は、3日からカンボジアの首都プノンペンで始まりました。

会議は3年ぶりに対面形式で行われ、軍が実権を握るミャンマー情勢や、中国が海洋進出を続ける南シナ海の問題などについて、議論が交わされています。

開会式で議長国カンボジアのフン・セン首相は去年、クーデターで軍が実権をにぎったミャンマー情勢について「状況は以前よりも悪化している。ミャンマーの危機は地域の安定に対する挑戦だ」と述べ、強い懸念を示しました。

そのうえで先月軍が行った民主活動家など4人の死刑執行について「深く失望している」と述べ、今後、さらなる死刑が執行されれば、ミャンマーとの関わり方について見直す可能性もあると示唆しました。

また今回は、日本の林外務大臣やアメリカのブリンケン国務長官、それに中国の王毅外相らが参加し、中国が海洋進出を続ける南シナ海の問題などについても意見が交わされる見通しです。

ただ、中国はアメリカのペロシ下院議長の台湾訪問に激しく反発していることから、当事国を交えた議論の行方にも関心が集まっています。

専門家「力で政治の安定求める方法は認められない」

ミャンマー情勢に詳しい京都大学東南アジア地域研究研究所の中西嘉宏准教授は「ASEAN加盟国の中でもミャンマーに対する姿勢に温度差があるが、この数週間、軍による死刑の執行や日本人の拘束が相次いだことから、国際社会がミャンマーの現状について改めて注目している。ASEANは今回の会議を通じて、力で政治の安定を求める方法は認められないというメッセージを改めて示す必要がある」と指摘しました。