中国軍が4日から台湾周辺で軍事演習 与那国島で不安広がる

アメリカのペロシ下院議長が2日夜から台湾を訪問するなか、中国の国営通信は中国軍が4日から台湾周辺で軍事演習を行うと伝えました。演習が行われる区域は沖縄県の与那国島と波照間島からそれぞれおよそ60キロしか離れておらず、現地では不安が広がっています。

中国国営の新華社通信によりますと、中国軍の軍事演習は4日から7日まで台湾を囲むように設定された6か所の海域や空域で実施され、実弾での射撃なども行うということです。

台湾からおよそ110キロの位置にある与那国島の漁業協同組合には、3日午後1時ごろ演習が行われる区域について海上保安庁から連絡がありました。

それによりますと、与那国島の北西64キロと波照間島の南西60キロの2つの区域で射撃訓練が予定されていて、このうち波照間島の南西の区域はふだん漁船が操業している場所から30キロしか離れていないということです。

漁協ではこうした情報を漁業者に電話で知らせるなどして注意を呼びかけるとともに、外国漁船の操業状況を調べている監視船の活動を安全確保のため取りやめるかどうか検討しています。

与那国町漁業協同組合の嵩西茂則組合長は「中国軍が台湾を囲んで演習するというのは想定しておらず、事態が悪い方向に進展している感じがします。状況が悪化すれば漁ができないので死活問題で、漁師たちも気に留めているがどの程度危険なのか計り知れず、どのタイミングで漁に出るのをやめるよう指示すればいいのか分からずにいます」と話していました。

与那国町「今はとにかく情報がほしい」

与那国町によりますと、午後4時現在、国や県から中国軍の軍事演習に関する連絡は入っておらず、インターネットのニュース記事を見て情報を収集しているということです。

危機管理を担当する総務課の田島政之さんは「自治体レベルで対応できることではないので今はとにかく情報がほしい、それに尽きます」と話していました。

航空 海運は運航ルート変更も

中国軍が4日から7日まで台湾を囲むように合わせて6か所の海域や空域で軍事演習を行うとしている中、中国の航空当局は、日本時間の4日午後1時から7日の午後1時まで、台湾を囲む6か所の空域に航空機が入ることを禁止する航空情報を発出しています。

これを受け、全日空と日本航空は、この期間に運航する予定の日本と台湾などを結ぶ便について、安全に運航するため対象の範囲を避けた飛行ルートを検討しているということです。

いずれも現時点で、欠航の予定はないとしています。

一方、海運大手の日本郵船、商船三井、川崎汽船の3社は、船が欠航するなどの影響はないとしていますが、対象となる海域を避けて運航するということです。

国土交通省によりますと、軍事演習に伴い航空機や船舶が入らないよう求められることはあるとしつつ、今回の措置により運航に影響が出ないか情報収集を進めています。