福島第一原発 処理水放出の工事開始へ 風評被害懸念は根強く

福島第一原子力発電所にたまるトリチウムなどの放射性物質を含む処理水をめぐって、2日に地元の福島県などが海に放出する施設の建設を了解したことを受けて、東京電力は早ければ4日にも放出に使う海底トンネルなどの本格的な工事を始める方針です。

東京電力は福島第一原発にたまり続ける処理水について、政府の方針に従って、来年春ごろから基準を下回る濃度に薄めて原発のおよそ1キロ沖合から海に放出する計画です。

こうした中、福島県と地元の大熊町、双葉町は2日、東京電力に対して放出に使われる海底トンネルなどの建設を了解することを伝えました。

これを受けて東京電力は準備が整いしだい、早ければ4日にも本格的な工事を始める方針です。

一方で、放出された場合に風評被害の発生を懸念する声は、地元や漁業者を中心に根強くあります。

政府と東京電力は漁業者の団体との間で「関係者の理解なしに、いかなる処分も行わない」と文書で確認していて理解を得られるかが焦点になっています。

福島県の内堀知事は3日、萩生田経済産業大臣と面会し、風評被害を起こさないための国民的な理解の促進に向け政府として正確な情報発信を行うことなどを要請することにしています。

漁業者「反対の意志は変えられない」

福島県などが放出に使う海底トンネルなどの建設を了解したことについて、原釜機船底曳網船主会の高橋通会長は「知事が了解したとしても、反対の意志は変えられない」と強い拒否感を示しました。

そのうえで「今回は施設の建設工事に対する了解と言うものの、どこから聞いても『放出する』ということと同じようなものだ。トンネルを掘るのかどうかわからないが、われわれには詳しい話はしてこない。処理水の安全性が誰にもわからないため、納得できる説明をしてほしい。みな風評被害を心配しており、なんとか復興の兆しが見えてきたタイミングでこうなってしまい残念だ」と話していました。