夏の全国高校野球 出場4校でコロナ集団感染 初戦を大会8日目に

夏の全国高校野球に出場する49の代表校を対象に、大会前に行った新型コロナウイルスのPCR検査で10校の部員と指導者、合わせて26人の感染が確認されました。高野連=日本高校野球連盟などはこのうち4校は「集団感染」と判断したうえで、回復までの期間を考慮し、大会の日程を一部入れ替えて、8日目に初戦を組む異例の措置を取ることを決めました。

高野連などでは、今月6日に甲子園球場で開幕する夏の全国高校野球に向けた新型コロナの感染対策として、49の代表校の部員と指導者を対象に、大会前と初戦を勝ったあとの最大2回、PCR検査を行うことにしています。

大会前の検査は先月29日から1日まで行われ、49の代表校の1641人が受けた結果、10校の部員と指導者、合わせて26人の感染が確認されました。

このうち、島根の浜田高校、愛媛の帝京第五高校、佐賀の有田工業、熊本の九州学院の4校について、高野連などは感染した人数などを明らかにしなかったものの「集団感染」と判断し、3日、大阪市で行われる組み合わせ抽せんや、今月6日の開会式を欠席させることを決めました。

その一方で、この4校について、回復までの期間を考慮し、準備に余裕を持たせるため、大会の日程を一部を入れ替えて、8日目に初戦を組む異例の措置を取ることを決めました。

高野連などでは「あらかじめ設けたガイドラインに沿って工夫をすることで、49の代表校すべてが辞退することなく、出場できるようにした。不公平感を指摘する声もあるかもしれないが、いつ感染してもおかしくない状況で、お互いさまの精神で理解と協力をいただきたい」と話しています。

夏の全国高校野球では、高野連=日本高校野球連盟などが新型コロナウイルスの感染拡大予防ガイドラインを設けて、代表校などに対策の徹底を求めています。

ガイドラインでは、3つの密を避けること、代表校や大会の関係者は健康状態を毎日確認し、大会中と大会前にPCR検査を行うことなどを基本方針としています。

このうちPCR検査は、各代表校が大会前と初戦を勝ったあとの最大2回行い、ベンチに入る選手をはじめ、監督、部長、記録員、さらに練習に関わるコーチや控え部員などが対象となっています。

そして、チーム内での感染が確認された場合、高野連などが緊急対策本部を開いて集団感染かどうかを重要視して、大会への参加の可否を協議するとしています。

一方、新型コロナウイルスの感染拡大以降、甲子園で開かれる春夏の全国大会で、チーム内での感染で出場を辞退する学校が相次いだことを受けて、今大会から集団感染と判断した場合も、試合日程の変更や選手の入れ替えなどで、対応を検討することを決めていました。