新型コロナ感染拡大 民間の救急サービスも出動増加 東京

新型コロナウイルスの感染拡大によって、東京都内では保健所から依頼を受けて患者を搬送する、民間の救急サービスの出動も増加しています。

東京消防庁などによりますと、都内の救急車の稼働率は2日午前中の時点で95%を超えていて、全国の52の消防機関では救急患者の受け入れ先がすぐに決まらないケースも、先月24日までの1週間に6035件に上っています。

こうした中、民間の救急サービスの出動も増えていて、保健所から依頼を受けてコロナ患者を病院などに搬送している東京 日野市の会社には、2週間ほど前から依頼が急増しています。

搬送の件数は6月は多くても1日2件程度でしたが、先月中旬からは1日で20件に上る日もあり、最近は5台ある救急車がすべて稼働している状況だということです。

先月29日は保健所から新型コロナに感染した90代の女性患者の搬送依頼があり、防護服を着た救急救命士が自宅の玄関先から女性をストレッチャーで救急車に運び入れました。

女性はワクチンを3回接種していましたが、友人と会ったあとに感染が分かったということで、高齢で基礎疾患があるため入院が決まったということです。

救急救命士は車内で女性の血液中の酸素の値を測り、熱や体調を聞き取りながら1時間ほどかけて病院に搬送していきました。

会社によりますと、これまでも熱中症の疑いで消防の救急車で搬送された50代の女性が、車内で行った検査でコロナの感染が分かり、およそ6時間にわたって受け入れ先が見つからないまま、この会社が搬送を引き継いだケースがあったということです。

その後、女性は車内で容体が急変して酸素投与が必要となり、再び消防の救急車で搬送したということです。
「民間救急フィール」の日野営業所長を務める八島悟さんは「朝から晩まで稼働していて、これ以上は私たちでは対応できない状況になってきている。搬送を必要とする人がいる以上、すべて対応したいが、断らざるをえない状況になりつつあるのは心苦しいです」と話していました。