ウクライナ 穀物積んだ船出港 業界団体幹部は歓迎も警戒感示す

ウクライナ南部から穀物を積んだ最初の船が出港したことについて、ウクライナの穀物の業界団体幹部は歓迎する一方で、再び輸出の停止につながるような攻撃が起きないか、ロシアの今後の動向に警戒感を示しました。

ロシア軍による封鎖で黒海に面するウクライナの港から小麦などの輸出が滞っている問題をめぐっては、1日、穀物を積んだ最初の船が南部オデーサの港を出発しました。

これについて、ウクライナ穀物協会のセルヒー・イワシチェンコCEOは、現在、ウクライナ国内に小麦やトウモロコシなどおよそ2500万トンの穀物が留め置かれ、輸出を待っている状態だと指摘したうえで「輸出の再開は、ウクライナの農業市場にとってよいチャンスだ」と歓迎しました。

一方で「ロシアが合意を守らなかったり穀物を運ぶ船や港を攻撃したりするリスクもある。これは重大な問題だが、起こりえることだ」と述べ、再び輸出の停止につながるような攻撃が起きないか、ロシアの今後の動向に警戒感を示しました。
ウクライナのゼレンスキー大統領も1日に公開した動画で「ロシアがウクライナの輸出を妨げないという幻想を抱いてはならない」と指摘しています。

トルコ国防省によりますと、最初の船は、トウモロコシを積み、中東のレバノンに向かうということで、2日にも黒海沿岸のイスタンブールの沖合に到着し、積み荷などの検査を受ける見通しだとしています。