家計の貯蓄 2年間で52兆円余増加 コロナで消費抑制背景か

家計の貯蓄は、おととしと去年の2年間で52兆円余り増えたことが、内閣府の試算で分かりました。これはGDP=国内総生産のおよそ10%に相当する規模で、新型コロナの影響で、消費が抑えられたことが背景にあるとみられます。

内閣府は、コロナ前の2019年と比べて、家計の貯蓄がどの程度増えているかを試算しました。

それによりますと、貯蓄の増加分は、おととしと去年の2年間の累計で52兆6000億円に上ったということです。

これは、GDPのおよそ10%に相当する規模で、内閣府は、コロナ対策のための給付金が入った一方で、消費が抑えられたことでお金が貯蓄に回ったと分析しています。

コロナ禍での家計の貯蓄をめぐっては、欧米でも同じように大きく増加していて、最新のデータで貯蓄の増加分をみると、
▽アメリカは円換算で335兆円余りとGDPのおよそ11%、
▽ユーロ圏は115兆円とGDPのおよそ7%に上っています。

内閣府は「ウクライナ情勢などを背景とした物価上昇で所得の目減りが懸念される中、コロナ禍で増えた貯蓄が消費の下支えにつながるか注目される」としています。