“投票認められなかったのは憲法違反” 服役中の受刑者が提訴

刑務所で服役中の受刑者が、去年とことしの国政選挙で投票が認められなかったのは、選挙権を保障した憲法に違反すると主張して、国に賠償などを求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。

訴えを起こしたのは長野刑務所で服役している36歳の受刑者で、1日、弁護士が会見しました。

受刑者は3年前に詐欺の罪で懲役7年の実刑が確定したため公職選挙法の規定に基づいて選挙権が停止され、去年10月の衆議院選挙と最高裁判所裁判官の国民審査、それにことし7月の参議院選挙で投票できませんでした。

これについて「選挙の公正を害する選挙違反の罪ではないのに投票を制限するのは、選挙権を保障した憲法15条などに反する」と主張して、国に対し3万円の賠償と、次の国政選挙での投票を認めるよう求めています。

弁護士は、刑が確定しておらず拘置所にいる人は選挙権が認められているほか、受刑者についても憲法改正の是非を問う国民投票では制限されていないとしています。

受刑者の選挙権をめぐっては2013年に大阪高等裁判所が憲法違反と判断した一方、広島高等裁判所は2017年に合憲とする判決を出していて、判断が分かれています。

吉田京子弁護士は「原告は受刑者の処遇について調べる中で、選挙権がないと主権者として言いたいことも言えないと考え、提訴した。改めて裁判所に判断してもらいたい」と話していました。

総務省は「訴状が届いていないのでコメントできない」としています。