コロナ感染拡大の中 旅行や帰省の予約は前年比大幅増 旅行会社

新型コロナの感染拡大が続く中、都内の旅行会社では、一部の予約にキャンセルが入っているものの、去年の夏休みと比べると旅行や帰省の予約は大幅に増加しています。

感染の急拡大が続く中、お盆を前に、東京 千代田区にある旅行会社の店舗では、6月まで好調に入っていた予約の一部にキャンセルの動きも出ているということです。

ただ、こうした動きは国の行動制限があった去年の夏休みと比べると限定的で、予約の数は大幅に増加しています。

“近場で短期間” “感染状況見極め直前予約”

具体的には近場で短期間の旅行が人気だということで、宿だけを予約し移動手段はマイカーを使うという人が目立つということです。

また、感染状況を見極めながら旅行するかどうか決める人も多く、直前の予約が多いということです。

この店舗では予約した客に対して、去年、観光庁などが旅行者向けに作ったパンフレット「新しい旅のエチケット」を示して感染防止策の徹底を呼びかけています。

このほか、旅行前に民間のPCR検査を受けることや、日頃の生活と同じように旅先でも体温の測定など健康チェックをしっかり行うことを呼びかけているということです。
近畿日本ツーリスト有楽町店の吉崎将一郎店長は「感染状況をみて不安もあると思うが、出発前の不安については、なるべくこちらで拭い去れるようにしたい。現地で何か起こったときにも遠慮なく相談してほしい」と話しています。

「知らない土地で医療機関にかかるのは難しい 慎重に検討を」

国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授は、旅行にあたっては事前の準備を整えることが重要だと指摘しています。

具体的には旅行前にPCR検査を受けるなど、まずは万全な体調で出かけることが何よりも大切だとしています。

また、荷物には感染防止に必要なマスクやアルコール消毒液など基本的な感染対策グッズを十分用意することが重要だとしています。

さらに、旅行先で体調不良になっても地域によっては発熱外来の予約が取りにくくなっていることなどを踏まえ、発熱したときに簡易検査できる抗原検査キットや、行先で療養が必要になったときに、症状を緩和するための市販の薬も用意しておくと安心だとしています。

そのうえで、松本主任教授は「旅行と言っても行き先でどのような行動をとるかが大切だ。例えば、祭りに参加するなど人混みが多いところに行くのと家族だけで旅館で過ごすのではリスクが異なる。ただ、今は体調が悪い時に知らない土地で医療機関にかかるのは難しい。そういったリスクも踏まえて慎重に検討してほしい」と呼びかけています。