コロナ中等症患者で満床近く“重症対応不可能に” 埼玉の病院

新型コロナウイルスで最も重症の患者の治療に対応してきた埼玉県内の病院では、今回の「第7波」で人工心肺装置=ECMOを使った治療は行われず、受け入れ先が見つからない中等症の患者で満床に近くなってきています。現場の医師は「この状況が続くとECMOなどの治療が必要な重症患者に対応できなくなる」と危機感を募らせています。

埼玉県川口市の「かわぐち心臓呼吸器病院」は、新型コロナの感染拡大の当初から重い肺炎で自力で呼吸ができなくなった重症患者にECMOや人工呼吸器を使った治療を行ってきましたが、今回の「第7波」では、コロナで重症化する患者が少ないため、ECMOは使われず、夜間や休日に救急搬送されてきた中等症の患者を受け入れるケースが多くなっています。

病院では7月29日には対応する病床を8床から16床に増やして対応していますが、この週末も救急搬送が相次ぎ、1日朝の時点で入院している患者は12人となりました。

病院では、状態が安定した患者には周辺の医療機関に転院してもらうことで、重症患者用の病床を空けてきましたが、7月下旬からは感染拡大で受け入れ先が見つからなくなってきています。

1日朝の時点で、人工呼吸器が使われていたのは神経の難病がある患者1人で、医師らは回復した5人の患者の転院調整に追われていました。

竹田晋浩院長は「コロナで持病が悪化し、ECMOなどが必要な患者は出てくると考えられるので、今の状況が続くと私たちが診るべき重症患者に対応できなくなる」と話しています。