“値上げ” 食品や飲料など1万8000品目超へ 価格平均14%上昇

食料品などの値上げが8月も止まりません。

都内などで店舗を展開する油そば専門店では690円の油そばが1日から740円に…

原材料価格の高騰や円安を受けて、国内の主な食品や飲料のメーカーがことしすでに値上げしたか、今後値上げする予定の商品は累計で1万8000品目を超えたことが民間の信用調査会社の調査でわかりました。月別でみるとことし10月が最も多くなっていて、値上げの動きは秋以降も続く見込みです。

民間の信用調査会社「帝国データバンク」は国内の主な食品メーカーや飲料メーカー105社を対象に調査を行い、7月末時点での各社の値上げの動きをまとめました。

それによりますと、ことしすでに値上げしたか、今後値上げする予定があるとしたのは8割近くにあたる81社で、前回6月末時点の調査と比べて9社増えました。

値上げの対象は、再値上げなどを含めて各社合わせて累計で1万8532品目に上り、前回の調査より3200品目余り増えて、価格は平均で14%の値上げとなっています。

値上げ 秋以降も続く見込み 10月には6000品目超か

月別でみるとことし10月には最も多い6000品目を超える商品で値上げが予定されていて、値上げの動きは秋以降も続く見込みです。
背景には小麦や油脂などの原材料価格の高騰や、原油価格の上昇による物流費や包装資材などの値上がり、さらに急激な円安による輸入コストの増加があるということです。

品目別に見ると、
▽ハムやソーセージ、冷凍食品などの「加工食品」が7794品目と最も多く、平均16%の値上げとなります。
次いで、
▽ドレッシングやマヨネーズなどの「調味料」は4350品目で平均14%の値上げ、
▽「酒類・飲料」は3732品目で平均15%の値上げ、
▽「菓子」は1192品目で平均13%の値上げとなっています。
信用調査会社は「これまでに値上げされた商品で再値上げや再々値上げする動きが秋以降に集中していて値上げの幅も拡大している。記録的な『値上げの秋』になりそうだ」としています。

1番人気の油そば 690円から740円に

都内や大阪などで20店舗を展開する油そばを専門とするチェーン店では、メニューのうち4種類の価格を1日から10円から70円値上げしました。

東京 豊島区の店舗でも午前11時の開店前に店の外にある看板のメニューの価格を貼り替えるなどの作業をしました。
値上げされたメニューでは1番人気の油そばの並が税込み価格で690円から740円に上がりました。

会社によりますと、麺の仕入れ価格が1日から税込み1玉58円から63円とおよそ8%上がったほか、豚肉の仕入れ価格がことし1月と比べて1キロあたりおよそ130円、14%ほど高くなっています。

食材の無駄をなくしたり作業の効率化を図ったりするなどしてコストの削減を進めてきましたが、光熱費もあがっているため、今回値上げに踏み切ったということです。

値上げをすると売り上げが減ってしまう可能性があるため、値上げの幅をできるだけ抑えたといいます。
店を訪れた30代の男性客は「値上がりするものが多いと感じていて外食を減らすなどしています。値上げの動きが早くおさまってほしいです」と話していました。

チェーン店の小林哲さんは「若い世代のお客さんも多いので少しの値上げでも離れることにつながる可能性があるため、何度も協議を重ねて値上げを決めました。取引先からは秋にも食材を値上げすると聞いていて、今後の状況をみながら改めて値上げを行うべきかどうか検討したい」と話していました。

値上げ抑制のため光熱費節約も 対応に限界

東京 足立区のスーパーでは、1日からコーヒーやホットケーキ用の粉などおよそ50の商品を3%から10%ほど値上げすることになり、開店前から値札を貼り替える作業を行いました。

値上げされた商品の多くは、7月までに仕入れ値が引き上げられていました。

スーパーでは値上がり前に商品を多く仕入れて在庫を確保することで店頭の販売価格を据え置いてきましたが、在庫がなくなったため値上げに踏み切ったということです。

このスーパーでは店内の照明の一部を消しているほか、電気の使用量を30分ごとに把握できるモニターを設置するなど、光熱費を節約することで仕入れコストの上昇分の一部を吸収し、値上げの幅をできるだけ小さくしようと取り組んでいます。
それでも仕入れ先からは今後の商品の値上げが伝えられていて、こうした対応にも限界があるといいます。

買い物に来た50代の女性は「日々、値上げを実感していますがしかたがないと思っています。安く販売している日にまとめて買い物をするようにして、無駄なものは買わなくなりました」と話していました。

「スーパーTANAKA」の田中章一社長は「値上げすることは客に負担をかけることになるので、ほかの店舗の動向もみながら対応していきたい。メーカーが値上げをすると上げざるを得ないこともありますが、店としてはできる対策を行ってできるだけいまの価格で提供できるよう努めたいです」と話していました。

最低賃金 今年度の引き上げ額は?

商品の値上げの動きが広がる中、最低賃金の引き上げに注目が集まっています。

現在、全国平均で時給930円となっている最低賃金の今年度の引き上げについては、労使の代表などによる厚生労働省の審議会は7月25日の会合で8時間あまりにわたって議論を行いましたが決着がつかず、いったん中断し、1日午後3時からとりまとめに向けた議論を再開しました。

これまでの議論では引き上げ自体に争いはなく、労働者側が物価上昇を踏まえた水準を主張する一方、企業側は原材料費の高騰などで大幅な引き上げは難しいという姿勢です。

このため、労使双方に影響を及ぼしている物価上昇をどう評価し、どの程度の引き上げとするのかが焦点となっています。

最低賃金の引き上げ額は最近、過去最大を更新する年が多く、政府も時給1000円の早期達成を掲げていて、1日の会合では、昨年度の28円を上回る過去最大の水準を見据えた議論が行われていると見られます。
審議会は、1日中の決着を目指しています。