ウクライナ産小麦輸出再開 仲介役トルコ政権幹部「1日にも」

ウクライナ産の小麦などの輸出再開をめぐって、仲介役となったトルコの政権幹部は、1日にも穀物を積んだ船がウクライナ南部の港を出港するという見通しを示しました。ウクライナでは南部でロシア軍が激しい攻撃を行っているもようで、いつ輸出が再開されるかが焦点です。

ウクライナ南部の港からの小麦などの輸出が滞っている問題をめぐっては、アメリカのブリンケン国務長官が先月29日、ロシアのラブロフ外相に対して、輸出の再開に向けて、トルコと国連の仲介のもとロシアとウクライナが合意した取り決めを順守するよう呼びかけています。

トルコのカルン大統領首席顧問は31日、地元メディアに対して、貨物船への積み込み作業はすでに完了しているとしたうえで「最初の船は1日の朝に港を出る可能性が高い」と述べ、1日にも穀物を積んだ船が出港するという見通しを示しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は31日、ツイッターに「ウクライナのことしの収穫は半減するおそれがあるが、最大の目標はロシアの侵攻によって引き起こされる世界的な食料危機を防ぐことだ」と投稿し、速やかな輸出の再開に期待を示しました。

こうした中、ロシア国防省は31日、ウクライナ南部のヘルソン州やミコライウ州で空爆を行い、ウクライナ軍の兵器などを破壊したと主張しました。

一方、ミコライウ市の市長が31日、SNSに「これまでで最も激しい攻撃に遭い、多くの住宅が被害を受けた」と投稿したほか、ウクライナのイエルマク大統領府長官は、大手穀物輸出企業の経営者夫妻が、ミコライウ市内の自宅でロシア軍の砲撃を受けて死亡したとSNSに書き込みました。

南部ではウクライナ軍が反転攻勢に出るなか、ロシア軍が激しい攻撃を行っているもようで、小麦などの輸出がいつ再開されるかが焦点です。