ウクライナ穀物輸出 ゼレンスキー大統領 早期の輸出再開に期待

ウクライナのゼレンスキー大統領は29日、小麦などの輸出拠点となる黒海に面する南部の港を視察に訪れ、「国連とトルコから輸送の許可が出しだい輸出を開始する」と述べ、早期の輸出再開に向け期待を示しました。

ウクライナからの小麦などの輸出の再開をめぐっては27日、トルコのイスタンブールで船の安全な航行を監視するセンターの運用が始まりました。
ウクライナ側は、南部オデーサなど3つの港で業務を再開したと発表し、ウクライナのゼレンスキー大統領は29日、小麦などの輸出拠点となる黒海に面する南部のチョルノモルシク港を視察しました。

ウクライナとロシアは、国連とトルコを仲介役として小麦など輸出の再開に向け合意していて、ゼレンスキー大統領は、「われわれの輸出の準備は完了した。国連とトルコから輸送の許可が出しだい輸出を開始する」と述べ、早期の輸出再開に向け期待を示しました。
穀物などの輸出再開の最初の船になるとみられる貨物船の船長は29日、トルコメディアのインタビューに対し、「29日の朝から穀物を積み始め31日の日曜日に作業が終わる。その後船はイスタンブールへ向かう」と述べ、出港は早くても31日以降になるという見通しを示しました。

港には、ゼレンスキー大統領とともに、ウクライナに駐在するアメリカや欧米各国の大使なども訪れ、ロシアがウクライナと交わした合意が守られるか、注視しています。

一方、ロシア軍はウクライナ東部や南部への攻撃を続けていて、ウクライナ東部ドネツク州の知事は29日、バフムトで激しい砲撃があり、30以上の住宅や幼稚園などが攻撃を受け、合わせて4人が死亡し、5人がけがをしたことを明らかにしています。