国連安保理 穀物輸出合意も輸出拠点攻撃のロシアを強く非難

小麦などの輸出の再開に向け合意したにもかかわらず、ロシアがウクライナの輸出拠点をミサイル攻撃したことについて国連の安全保障理事会では、欧米各国が強く非難したのに対し、ロシアは、攻撃は合意に反するものではないとして「今後もウクライナ軍の施設を破壊し続ける」と主張しました。

ロシアとウクライナは22日、小麦などの輸出再開に向けてトルコと国連の仲介で合意しましたが、翌日、ロシアがウクライナ側の輸出拠点である南部オデーサをミサイルで攻撃しました。

国連安保理では29日、ウクライナ情勢をめぐる会合が開かれ、欧米各国からはロシアのミサイル攻撃を非難し合意の完全な履行を求める意見が相次ぎました。
このうち、アメリカのトーマスグリーンフィールド国連大使は「合意の数時間後の攻撃でロシアの本当の姿勢を見た。港への爆撃は穀物の輸出を妨害している。世界の飢餓を救うため穀物を傷つけずに輸出すべきだ」と述べました。
これに対してロシアのポリャンスキー国連次席大使は、アメリカが供与した武器の保管庫を攻撃したと主張し、「オデーサの港に軍事施設を配備することは合意の成功にはつながらない。われわれはウクライナ軍の施設を破壊し続けるだろう」と述べ、合意に反していないと改めて攻撃を正当化しました。