北朝鮮 新型コロナで「新規の発熱者ゼロ」と発表

北朝鮮は、新型コロナウイルスによるとみられる、1日当たりの新規の発熱者が29日はゼロだったと発表しました。発熱者がゼロになるのは、新型コロナの流入を公表してから初めてで、北朝鮮指導部は、早期の封じ込めに成功したとして近く、新型コロナに対する「勝利」を宣言するのではないかという見方も出ています。

30日付けの北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、保健当局の発表として、新型コロナウイルスによるとみられる、1日当たりの新規の発熱者が29日はゼロだったと伝えました。

1日当たりの発熱者がゼロになるのは、ことし5月12日に、国内への新型コロナの流入を公表してからこれが初めてです。

北朝鮮の統計では、1日当たりの発熱者は5月中旬に39万人余りとピークに達したものの、6月以降は減少傾向にあるとしていました。

労働新聞は「非常防疫戦の勝利に向けて、われわれ特有の団結力が力強く示されている」と強調していて、専門家の間では、北朝鮮指導部が、早期の封じ込めに成功したとして近く、新型コロナに対する「勝利」を宣言し、キム・ジョンウン(金正恩)総書記の権威づけに利用するのではないかという見方も出ています。

ただ、北朝鮮の統計をめぐっては、▽無症状の患者が感染者に含まれていないうえ▽ほかの国と比べて死亡率が低く、疑問視されています。

また、依然としてワクチンの接種が進んでおらず、感染が再拡大する可能性も指摘されています。