ロシア ウクライナから略奪の穀物輸出か レバノン政府が調査

中東のレバノンの港に入った貨物船に、ロシアがウクライナから奪った穀物が積まれている疑いがあるとして、ウクライナ側は積み荷を降ろさないよう要請し、レバノン政府が調査に乗り出す事態となっています。

中東の複数のメディアによりますと、レバノン北部の港に27日入港したシリア船籍の貨物船に、ロシアがウクライナから奪った小麦などの穀物合わせて1万トンが積まれている疑いがあるということです。

この船は、ロシアが8年前、一方的に併合したウクライナ南部のクリミアを出港したと報じられています。

これを受けてレバノンに駐在するウクライナ大使は28日、レバノンのアウン大統領と会談し、ロシアが奪った穀物を輸入することは受け入れられないと懸念を示したうえで、積み荷を降ろさないよう要請しました。

ロシアがこれまでウクライナからの穀物の略奪を否定していることから、レバノン政府は調査に乗り出し、確認が取れるまでは荷降ろしをしないとしています。

小麦の輸入のおよそ7割をウクライナに頼ってきたレバノンでは、ロシアの軍事侵攻によって小麦の輸入が滞り、パンなどの価格が2倍以上に高騰するなど、市民生活に深刻な影響が出ています。