ウクライナの港から輸出再開 早ければ29日にかけ最初の船出港

ウクライナの港からの小麦などの輸出再開をめぐって、国連は最初の船が早ければ29日にかけて出港するとしていて、世界的に食料価格が高騰する中、輸出が順調に再開され食料供給の安定につながるのか注目されます。

ロシア軍はウクライナ東部や南部への攻撃を続けていて、ウクライナ東部ドネツク州のキリレンコ知事は29日SNSに投稿し、バフムトで激しい砲撃があり30以上の住宅や幼稚園などが攻撃を受け、合わせて4人が死亡し5人がけがをしたと明らかにしました。

またキリレンコ知事は、ウクライナ側が拠点としているスロビャンシクなども攻撃を受けけが人が出ているとしています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は28日の分析で、ロシア軍はバフムト周辺で限定的な攻撃を行っているとして、ロシア側が掌握したと主張するウクライナのブフレヒルシク発電所などを拠点に北上を試みようとしているとみています。

一方、ウクライナ南部の港から小麦などの輸出が滞っている問題の解決に向けては、ロシアとウクライナが仲介役のトルコと国連と交わした合意に基づいて27日、トルコのイスタンブールで船の安全な航行を監視するセンターの運用が始まり、ウクライナ側は南部オデーサなど3つの港で業務を再開したと発表しています。

輸出の状況について、国連で人道問題を担当するグリフィス事務次長は28日記者会見で、最初の船が早ければ29日にかけて出港するという見方を示すとともに、合意のもとで輸出が順調に進むことに期待を示しました。

またグリフィス事務次長は食料危機に対応するため、WFP=世界食糧計画がウクライナ産の穀物の購入を検討していると明らかにしました。

ロシア軍による黒海の閉鎖の影響で世界的に食料価格が高騰する中、輸出が順調に再開され食料供給の安定につながるのか注目されます。