沖縄 高齢者施設での集団感染 160か所超 入院できないケースも

爆発的な感染拡大が続く沖縄県内の高齢者施設では、集団感染が起きている施設は160か所を超えています。県内の病床使用率は8割を超え、入院が必要だと施設が判断しても、施設内にとどまらざるをえないケースが多く、施設を支援する医師は「医療崩壊が起き、しわ寄せがいちばんの弱者に押しつけられている」と話しています。

爆発的な感染拡大が続く沖縄県内では、集団感染=クラスターが発生した高齢者施設は、28日の時点で167か所にのぼり、合わせて1297人が施設内で療養しています。

県内の病床使用率は8割を超え、施設の支援などを行っている医師などによりますと、入院が必要だと施設が判断しても、施設内にとどまらざるをえないケースが相次いでいるということです。

このうちうるま市の施設では、今月21日以降、感染者が相次ぎ入所者90人のうち6割にあたる55人が感染したほか、施設に60人いるスタッフも3割にあたる18人が感染しました。

県の委嘱を受けている医師や看護師が支援にあたっていて、29日は中頭病院の仲村尚司医師などが施設を訪れ、容体が悪化した入所者を診察したり、投与する薬を確認したりしました。

施設によりますと、感染後、重症化した入所者を病院に搬送することが難しく、医師の指示を受けた施設の看護師が投薬するなどの対応をとっているといいます。

この施設でクラスターが発生したのは今回が初めてで、これまでに入所者1人が亡くなったということです。

仲村医師は「医療崩壊が起き、しわ寄せがいちばんの弱者に押しつけられている。こうした施設の支援に当たる医師を増やしたいがなかなか厳しい状況だ」と話していました。