ゴーン元会長事件 “弁護士事務所の捜索は違法” 東京地裁

日産自動車のゴーン元会長が中東のレバノンに逃亡した事件で、東京地検特捜部が弁護士事務所を捜索したことが違法かどうかが争われた裁判で、東京地方裁判所は「正当性のない捜索で違法だ」とする判決を言い渡しました。
弁護士側が国に賠償を求めた訴えについては退けました。

日産の元会長、カルロス・ゴーン容疑者の弁護を担当していた弘中惇一郎弁護士の事務所はおととし1月、逃亡事件の関係先として東京地検特捜部の捜索を受けました。

弘中弁護士などは、依頼者の秘密を守るために法律で認められている「押収拒絶権」に基づいて捜索を拒否したのに、特捜部が強行したと主張して、国におよそ300万円の賠償を求めました。

29日の判決で、東京地方裁判所の古田孝夫裁判長は「押収を拒む権利を行使するかどうかの判断は弁護士に委ねられている」と指摘しました。

そのうえで「押収しようとした元会長の面会記録などは裁判所に写しが提出されていて検察も閲覧できたので、捜索が必要だったとは言えない。正当性のない捜索で『押収拒絶権』の趣旨に反し違法だ」と認めました。

一方、実際に秘密が侵害されたとは認められないなどとして、賠償を求める訴えは退けました。

判決について、弘中弁護士は「画期的な判断だ。今後、同じようなことはできなくなり、検察の実務にも大きな影響があると思う」と話していました。

東京地検は「コメントしない」としています。