新型コロナ 高齢者を中心に重症者や死亡が増加も 専門家が懸念

新型コロナウイルスの「第7波」の爆発的な拡大で、新規感染者数が連日過去最多を更新する中、亡くなる人の数も増えていて、今月に入ってからの死亡の発表は28日、1000人を超えました。厚生労働省の専門家会合は、今後、高齢者を中心に、重症者や亡くなる人の数が増えることが懸念されるとしています。

新型コロナウイルスに感染して亡くなったと発表された人の数は、28日は全国で114人と、3日連続で100人を超え、今月に入って以降、死亡が発表された人の数は、1027人となっています。

現在、感染の主流になっている「BA.5」も含めてオミクロン株は、去年夏に広がったデルタ株などに比べて重症化のリスクが低いとされ、7月に入ってから28日までに感染が確認された282万人余りに対して、致死率は、およそ0.04%となっていますが、高齢者の感染が増えると、遅れて亡くなる人が増えることが懸念されています。

厚生労働省のまとめによりますと、全国で60歳以上で感染した人は、7月26日までの1週間では、およそ15万7000人余りと、その1週間前の7月19日までの1週間の2.08倍、2週間前の7月12日までの1週間と比較すると3.73倍に急増しています。

27日に開かれた厚生労働省の専門家会合でも、重症者・死亡者はこれまでも新規感染者の急増から遅れて、増加する傾向にあり、高齢者の感染者数が増えるとともに、死亡者の増加が懸念されるとして注意を促しました。

これまでの感染拡大でも、オミクロン株の「BA.1」が主流だったことし初めからの「第6波」では、感染者数がピークだったことし2月5日から2週間余りたった2月22日に、1日の死亡の発表が322人と最多となり、厚生労働省の資料によりますと、1月から2月に感染した60歳以上の人では、重症化した割合は2.49%、致死率は1.99%に上りました。

厚生労働省の専門家会合は「『第6波』での死亡者は、80歳以上の占める割合が高く、基礎疾患の悪化の影響で亡くなるなど、コロナが直接の死因でないケースも少なくないことが報告されている」としたうえで、今後について「高齢の感染者や基礎疾患のある人の状態が悪化することに注意する必要がある」としています。