理化学研究所の研究者 “雇用契約の打ち切りは不当”と提訴

理化学研究所に所属する任期付きの研究者が、所属後に就業規則に加えられた「10年を超える有期雇用契約はしない」とした条項によって、今年度で契約が打ち切られるのは不当だとして、雇用の継続などを求める訴えを起こしました。

訴えを起こしたのは、国立研究開発法人の理化学研究所に任期付きの契約で所属している62歳のチームリーダーの研究者です。

訴えによりますと、この研究者は2011年から理化学研究所の任期付きの研究者となり、毎年、契約を更新してきましたが、理化学研究所が2016年に、就業規則に「10年を超える有期雇用契約は締結しない」とする条項を加えたことで、今年度で契約が打ち切られるのは不当だとして、雇用の継続のため、来年度以降の研究者としての地位の確認などを求める訴えをさいたま地方裁判所に起こしました。

研究者は匿名で記者会見を開き、就業規則の変更は、改正した労働契約法が2013年に施行されたことなどに伴い、任期付き研究者の雇用期間が10年を超えると、希望者には「無期転換」と呼ばれる任期のない定年制などの雇用に変えなければならなくなることを、研究所側が回避するために行ったものだと指摘しました。

そして、労働者の雇用の安定を図るこの法律の本来の目的に反し、合理性がないものだと批判しています。

この研究者のチームは、公的な研究費が今年度から再来年度まで支出されることが決まっていて、今年度で雇用が打ち切られると研究を継続できないとしています。

研究者は「雇用の継続を訴えてきたが状況が変わらず、やむをえず提訴した。同じような研究者が多くいるので、違法性を明らかにしたい」と話していました。

これについて理化学研究所は「訴状が届いていないため、コメントは差し控える。訴状を拝見次第、誠実に対応したい」としています。