東京都 専門家“爆発的感染 社会機能に影響”第6波の3倍予測も

東京都の新型コロナウイルスの感染状況と医療提供体制を分析・評価するモニタリング会議が開かれ、専門家は「爆発的な感染状況が続いていて、社会機能の維持に影響を及ぼしている」と指摘しました。そのうえで、今のペースで増加が続けば第6波のピーク時のおよそ3倍に達するとした予測を示し、極めて強い危機感を示しました。

東京都はモニタリング会議を開き、都内の感染状況と医療提供体制の警戒レベルをいずれも最も深刻なレベルで維持しました。

新規陽性者の7日間平均は大幅に増加して、27日時点では2万9868人となり、前の週のおよそ1.8倍となりました。

さらに、今の増加のペースが続けば、来月3日の時点で5万3762人となり、第6波のピーク時のおよそ3倍に達するとした予測を示しました。

また、感染経路が分からない新規陽性者は6週間連続で増加していて、27日時点の7日間平均で2万2212人と、過去最多となっています。

専門家は「爆発的な感染状況が続いていて、就業制限を受ける人が多数発生し、医療をはじめとした社会機能の維持に影響を及ぼしている」と述べ、極めて強い危機感を示しました。

そのうえで、「誰もがいつどこで感染してもおかしくない状況だ」と述べ、基本的な感染対策を徹底し、新規陽性者の増加をできるかぎり抑制していく必要があると呼びかけました。

一方、医療提供体制については、都内の入院患者が27日時点で3725人と6週間連続で増え、都が確保した病床の使用率が50%を超えて50.5%になったことが報告されました。

重症患者は前の週よりも6人増えて24人となっています。

また、重症化リスクの高い高齢者の新規陽性者数も増加していて、入院患者のおよそ70%が60歳以上だということです。

専門家は重症患者の数について、新規陽性者の増加に伴い増加すると説明したうえで、「低い値で推移しているものの、今後警戒が必要だ」と指摘しました。

さらに、新規陽性者の急増で、現在、都民のおよそ60人に1人が、入院、宿泊、自宅のいずれかで療養していると説明しています。

専門家は、入院患者の増加などに加えて、「医療従事者が陽性または濃厚接触者になり就業制限をうけることで人員を十分に配置できなくなっている」などと述べ、医療機関への負荷が増大していることに対して強い危機感を示しました。

「BA.5」疑いのウイルスが83.3%に

会議では、東京都が行っている今月18日までの1週間の変異ウイルスのスクリーニング検査でオミクロン株の中でより感染力が高いとされる「BA.5」の疑いがあるウイルスが83.3%を占め、いっそう、置き換わりが進んでいることが報告されました。

また、PCR検査や抗原検査の陽性率が27日時点で50.5%と、先週の42.9%を上回って過去最高の値になっていることも報告されました。

小池知事 初の4万人超「『HERーSYS』不具合影響も」

28日、東京都内の感染確認が初めて4万人を超えたことについて小池知事は「およそ5000人から6000人分は、26日、感染者の情報を管理する国のシステム『HERーSYS』が不具合を起こしたため、その分の数字が遅れて出て来ているということもある」と指摘しました。

一方で、「『HERーSYS』の問題もあるが、皆さんの非常に近くにいる人が感染している例もよく聞くと思う。BA.5の感染力の強さを示していると思う。いずれにしても気を引き締めていく」と述べました。

症状ある人にも検査キット配布

感染拡大に伴って医療機関での検査や受診が集中していることを受けて、東京都は、これまで濃厚接触者を対象にした検査キットの無料配布を、発熱などの症状がある人も対象とすることにしました。

症状のある人がみずからウェブサイトで検査キットを申し込むと、自宅へ配送される仕組みで、午前中に申し込むと翌日に届けられるということです。

都は1日当たり5万から最大7万キットを用意する方針で、来月1日から、まずは感染者の割合が多い20代の申し込みを受け付け、対象を順次、広げていくとしています。

また、都は自宅などで行った自主的な検査で陽性となった人の発生届を、医療機関に代わって提出する「陽性者登録センター」を、新たに設置すると発表しました。

自主検査で陽性が判明した人がみずからウェブサイトで申請すると、センターの医師が保健所に発生届を提出する仕組みで、このあと、都の「自宅療養サポートセンター」=「うちさぽ東京」が健康観察などをサポートします。

都はこの取り組みを来月3日から重症化リスクのない20代の人を対象に始め順次、拡大することにしています。

いずれも感染拡大に伴って生じている医療機関の過度な負担を軽減させようというのがねらいです。