JR東日本 利用者特に少ない66区間の収支を初公表 全区間で赤字

赤字が続く地方鉄道の今後のあり方が課題となる中、JR東日本は地方路線のうち、利用者が特に少ない66の区間について収支の状況を初めて公表しました。

すべての区間で赤字となっていて、JR東日本はバス路線への転換なども含め沿線の自治体と協議を進めたいとしています。

JR東日本は、人口減少に加えて新型コロナの影響で地方鉄道の利用者が減少する中、「線区」と呼ばれる区間ごとの収支の状況を初めて公表しました。

1日に平均何人運んだかを示す「輸送密度」が2000人未満の、利用者が特に少ない35の路線、66区間が対象となりました。

収支は新型コロナの感染拡大前の2019年度と2020年度の2年分が公表され、いずれもすべての区間で赤字でした。

66の区間の赤字は、2019年度は合わせておよそ693億円に上ります。

このうち赤字額が最も多いのは、羽越本線の新潟県の村上駅と山形県の鶴岡駅の区間で、2019年度の赤字額は49億900万円となっています。

また、100円の運賃収入を得るためにいくらの費用がかかるかを示す「営業係数」では、2019年度は久留里線の千葉県の久留里駅と上総亀山駅の区間が1万5546円と最も採算が悪くなりました。

公表された区間のうち、2019年度の「営業係数」が最も小さかった只見線の福島県の会津若松駅と会津坂下駅の区間でも573円となりました。

地方鉄道をめぐっては今月25日、国土交通省の検討会が「輸送密度」が1000人未満の区間などを対象に、バス路線などへの転換も含め協議を進めるべきとする提言をまとめています。

JR東日本は区間ごとの赤字の状況を明らかにすることで今後の地方鉄道のあり方についての沿線自治体などとの議論につなげたい考えです。

JR東日本 高岡執行役員「沿線の自治体と議論進める必要ある」

JR東日本の高岡崇 執行役員は記者会見で「運行費用のコストダウンに取り組んできたが、厳しい経営状況が続いている。地方路線の利用を増やすため、地域と一緒になって議論を活性化させていかなければならない」と述べました。

そのうえで「地域によっては鉄道が最適な交通手段ではない区間もあると考えていて、沿線の自治体と建設的な議論を進めていく必要がある。国土交通省の検討会で新たな協議会をつくるべきだという提言がとりまとめ取りまとめられたので協議会ができた場合は活用していきたい」と述べ、沿線の自治体などとの協議を進めたい考えを示しました。