全国知事会議 “コロナ 感染症法上扱い見直し含め対策転換を”

全国知事会議が、28日から奈良市で、3年ぶりに対面形式で始まりました。新型コロナの感染が急拡大する中、社会経済活動を維持するため、新型コロナの感染症法上の扱いを季節性のインフルエンザと同じ扱いに見直すことも含め、これまでの対策を転換すべきだという意見が相次ぎました。

会議では、新型コロナの感染症法上の扱いについて意見が相次ぎ、神奈川県の黒岩知事は「いつまでも『2類相当』では実態と合わず、社会経済活動が止まってしまう」と、季節性のインフルエンザと同じ「5類」に見直すべきだと訴えました。

また、北海道の鈴木知事が「オミクロン株は99%が軽症であることを踏まえ、議論を進めていく事が重要だ」と指摘したほか、千葉県の熊谷知事も「感染者の『全数把握』は見直しの必要がある。負担を軽減するため『定点把握』に移行すべきだ」と述べました。

一方、東京都の小池知事は「入院者数が増加する中、4回目のワクチン接種の対象拡大や国産の飲み薬の後押しをお願いしたい」と述べました。

そして、全国知事会として、ワクチンの3回目や4回目接種の促進を図ることや、検査キットの安定的な供給、それに新型コロナの感染症法上の取り扱いについて検討することなどを国に求める緊急提言をまとめました。

医師会と知事会 “検査キット配布”地域の実情で

日本医師会と全国知事会は、新型コロナ対応をめぐってオンラインで意見を交わしました。

この中で、日本医師会の松本会長は、医療のひっ迫を防ぐための抗原検査キットの配布について「都道府県の医師会と行政が協議し、地域の実情に合った仕組みを早急に築くことが非常に重要だ」と指摘し、発熱外来に限らず、郵送や公共施設で配ることへの協力を求めました。

また、釜萢常任理事は「治療の優先順位をつけるトリアージ機能を持つ仕組みを地域に構築してほしい。各地にコールセンターなどを設けているが、つながりにくいという問題があり、さらに拡充してほしい」と求めました。

これに対し、全国知事会の会長を務める鳥取県の平井知事は「それぞれの地域の特性に合わせた対策をとりたい」と応じ、協力して取り組みを進めていくことで一致しました。

一方、全国知事会側から、新型コロナの感染症法上の扱いを季節性のインフルエンザと同じに見直すべきだという意見が出たのに対し、松本会長は「来月以降、政府審議会の議論が始まるが、こうした議論でも連携していきたい」と述べました。