ウクライナ 小麦輸出再開に向け監視機関開設へ 役割果たせるか

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアは、港湾施設が集まる黒海に面した南部への攻撃を強めています。
27日には、ウクライナの港からの小麦などの輸出再開に向け、船の安全な航行を監視する機関がトルコに設けられますが、食料供給の安定化に向けて役割を果たせるか、予断を許さない状況です。

ロシアは、ウクライナ東部だけでなく南部の港湾都市オデーサなど、港湾施設が集まる黒海沿岸へのミサイル攻撃を続けています。

ウクライナの非常事態庁などによりますと、26日、オデーサから南に60キロほどにあるリゾート地がロシア軍のミサイル攻撃を受け、1人がけがをしたほか、ミコライウの市長は、26日、軍の情報として、港湾施設が攻撃されたとしています。

また、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、26日の分析で、ウクライナ軍はロシアが掌握したとする南部ヘルソン州にあるロシアの弾薬庫や部隊が集まる場所への攻撃を続けロシア側の後方支援などに影響を及ぼしているとみられると分析し、抗戦が続いているとみられます。

一方、27日には、ロシア軍による封鎖で黒海に面するウクライナの港から小麦などの輸出が滞っている問題の解決に向け、トルコのイスタンブールに、船の安全な航行を監視する機関が設けられます。

ロシアとウクライナが、仲介役のトルコや国連とともに交わした合意に基づいて設置されるものですが、ロシアによるウクライナ南部への攻撃が強まる中、食料供給の安定化に向けて役割を果たせるか、予断を許さない状況です。