大阪 高齢者施設のクラスター防止へ 医療チームを派遣

新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、高齢者施設でクラスターが起きるのを防ごうと、大阪府と大阪市は医師や看護師らのチームを感染の初期段階から施設に派遣する取り組みを始めています。

大阪府と大阪市は、高齢者施設で入所者の感染が確認された際、クラスターが起きるのを防ぐため、初期段階で医師や看護師などで作るチームを派遣して、施設内の感染対策などを支援する取り組みを行っています。

このうち、入所者1人の感染が確認された大阪市内の高齢者施設には、感染確認から3日後、医師や看護師など4人で作るチームが派遣されました。

チームは、まず、施設内の感染対策について指導し、感染した入所者のいるレッドゾーンから戻る前に防護服などを脱ぐ場所は、感染者のいない区域とは分けて設けるよう伝えていました。

さらに、配膳の方法について、これまでは入所者全員分の食事をカートに乗せ、それぞれの個室や食堂の中に持ち込んで配っていましたが、今後はカートを部屋の中には入れず、1人分の食事を載せたトレーだけを運ぶ方法に見直すようアドバイスしました。

この施設では、今のところ新たな感染者は出ていないということですが、医療チームでは、大阪府内の感染者がさらに増え、派遣のタイミングが遅れると、施設内での感染を防ぐのが難しくなるのではないかと懸念しています。

感染の第6波では、大阪府内の997の高齢者施設などでクラスターが発生し、少なくとも93人が施設内で亡くなっています。

医療チームの小林正宜医師は「感染者が出る施設がどんどん増えて追いつかない状況になると、第6波のときのように大規模クラスターがたくさん出てしまう懸念がある。重症化しやすい高齢者をなんとか守っていきたい」と話していました。