G20議長国 インドネシアのジョコ大統領 きょう訪日 首脳会談へ

G20=主要20か国の議長国を務めるインドネシアのジョコ大統領が27日に日本を訪れ、岸田総理大臣と首脳会談などを行います。首脳会談では、ことし11月にバリ島で開かれるG20首脳会議に向けて緊密に連携していくことを確認するものとみられます。

インドネシアのジョコ大統領は27日、日本をおよそ3年ぶりに訪れ、岸田総理大臣と首脳会談を行うほか、天皇皇后両陛下と会見を予定しています。

首脳会談では、ことし11月にバリ島で開かれるG20首脳会議に向けて緊密に連携していくことを確認するものとみられるほか、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻をめぐる対応などについて意見を交わす見通しです。

またインドネシア外務省は「日本は重要な経済パートナーだ」として、脱炭素に向けた再生可能エネルギーの分野や電気自動車関連の産業などについて、日本に対し経済協力を呼びかけ関係の強化を図りたい考えです。

ジョコ大統領の今回の日本訪問は東アジア歴訪の一環で、26日は中国で習近平国家主席などと会談したほか、28日は韓国でユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領と会談する予定です。

東アジア歴訪のねらいは?

インドネシア戦略国際問題研究所のリザール・スクマ上級研究員は、ジョコ大統領の東アジア歴訪について、議長国として11月に開くG20首脳会議を日本などからの支援を取り付けて成功させ、東南アジアの地域大国としての存在感を示すねらいがあると指摘しています。

この中でスクマ氏は「G20をわれわれが現在直面する多くの世界規模の課題を解決できる場にし、バリ島での首脳会議を確実なものにするためには、日本や中国といった国々が重要な役割を果たせる」と述べ、ジョコ大統領は日本など東アジア諸国からの支援を重視しているという認識を示しました。

またロシアによるウクライナへの軍事侵攻を背景に、インドネシアや発展途上国では食料やエネルギー危機が懸念されるとしたうえで「東アジアやインド太平洋地域への影響を抑える必要がある」と述べ、今後、ジョコ大統領は、ASEAN=東南アジア諸国連合に、日本、中国、韓国を加えた「ASEAN+3」の枠組みを強化し、多国間での対応を進めていくべきだという見方を示しました。