「1型糖尿病患者」に障害基礎年金の支給命じる判決 東京地裁

免疫の異常などで発症するとされる「1型糖尿病」の患者が、障害基礎年金の支給が認められないのは不当だと訴えていた裁判で、東京地方裁判所は「日常生活に著しい制約を受けていて支給を認めないのは違法だ」として、国の決定を取り消し、年金を支給するよう命じました。

都内に住む「1型糖尿病」の患者西田えみ子さん(51)は5年前、国に障害基礎年金を申請しましたが認められず、不支給の決定を取り消すよう求めていました。

「1型糖尿病」は免疫の異常などで発症するとされる病気で、西田さんは幼少の頃に発症し、1日に数回、血糖値を下げるインシュリンを投与していますが血糖値を安定させるのは難しく日常生活に支障があると訴えていました。

26日の判決で東京地方裁判所の岡田幸人裁判長は「食事、行動、仕事などに常に慎重な配慮を要し、影響は生活全般に及んでいる。日常生活に著しい制約を受けていて、支給を認めないのは違法だ」と指摘して、国の決定を取り消し、障害等級2級に相当する年金を支給するよう命じました。

一方、「国の認定基準は不平等で憲法違反だ」という主張については、「憲法に反する不合理なものとはいえない」と退けました。

「1型糖尿病」をめぐっては、障害基礎年金の支給を途中で打ち切られた大阪や奈良などの患者が、同じような訴えを集団で起こし、去年の大阪地方裁判所の判決ではほとんどの原告の訴えが退けられています。

原告側「国は控訴しないで」

判決後に会見した原告の西田えみ子さんは「私の訴えに真正面から向き合ってくれた。とても感謝している」と話しました。

また、弁護団の関哉直人弁護士は「体の症状に加え、血糖値を安定させるために日常生活でどのような努力をしていたかについても裁判所がしっかり考えたうえで認めたことに大きな意義がある。実質的には、今の基準に十分な合理性があるのか疑問を投げかける判決だと思う。国にはしっかり受け止め控訴しないよう希望したい」と述べました。

厚労省のコメント

判決について厚生労働省は「判決内容の詳細を精査し、関係省庁と協議したうえで適切に対応したい」とコメントしています。