女子中学生の自殺 いじめ認定も”原因ではない” 名古屋市教委

去年、名古屋の市立中学校に通う女子生徒が自殺したことをめぐり事実関係を調査してきた市の教育委員会の専門家会議は、ほかの生徒からのいじめと認められる行為があったとする一方、自殺の直接の原因ではなかったなどとする調査結果を公表しました。

去年3月、名古屋市の市立中学校に通っていた1年生の女子生徒が自殺したことをめぐり、事実関係を調査してきた、医師や弁護士などでつくる専門家会議は、26日、調査結果を公表しました。

この中で、女子生徒が同じクラスの生徒から席を離そうとされたり、「腐る」と言われたりしたほか、同学年の生徒たちでつくるSNSのグループ上で、別の生徒からからかわれるなどしたことが、いじめ行為にあたると認定しました。

一方で、女子生徒と席を離そうとするなどした加害生徒との関係がその後、改善されていたことや、SNS上でのからかいを受けてから自殺までに3か月以上の期間があったことなどから、いじめが自殺の直接の原因となったものではないとしています。

そのうえで自殺の原因については、同級生からどのように思われているのか心配になるなど不安な気持ちを抱える女子生徒に安心できる環境を与えられず、自殺につながったと考えられると結論づけています。

そして中学校の対応について、生徒の訴えに学校としてどのように連続性のある支援をしていくのか十分検討されず、保護者との連携が適切とはいえなかったと指摘しています。

女子生徒の両親「遺族を苦しめないで 真実を明らかに」

女子生徒の両親は名古屋市内で記者会見し、「複数の同級生の証言やスマートフォンに残されたメモから、同学年の生徒たちでつくるSNSのグループ上で娘をからかった生徒から廊下でにらまれたり、陰口を言われたりしたことが自殺の原因で、調査では、その行為がいじめと認定されていないことに納得がいかない」と述べました。

そして、「娘のほかにも複数の女子生徒が同じような被害に遭っていて、学校はその相談を受けている。すべて真実は隠されていて、本当に悔しく、娘に申し訳ない。もうこれ以上、遺族を苦しめないでほしい。とにかく真実を明らかにしてもらいたい」と訴えました。

市教育委 坪田教育長 “反省は多々ある”

名古屋市教育委員会の坪田知広教育長は、記者会見で「教育委員会としての反省は多々ある。これまでの自死事案を踏まえて、専門的な方も入って運営する『なごや子ども応援委員会』が全国に先駆けてつくられたが、うまく機能しなかったのは、痛恨の極みだ」と述べました。

そのうえで「手厚い体制をとりながら、なぜ防ぐことができなかったのかを検証し、いじめ防止対策推進法の運用の研修などを行いたい。専門職の人を含め、それぞれの役割を認識し、命が最優先だということを徹底し、運用していきたい」と述べました。

また、遺族が「調査結果に納得できない」としていることについては「ご遺族の思いを受け止め続けて、二度とこのようなことが起きないように、ご遺族のご意見を踏まえて対策に取り組んでいきたい」と述べました。